日の出湯

2004年頃廃業しました。


(家庭的な暖簾)

aqua.gif (191 バイト) 場所 地下鉄中野坂上駅 徒歩10分

ちかごろ、銭湯パラダイスで2000湯のS氏に言われたことが頭に残っているっす。「番台の銭湯はいっておいた方がいいよ、フロントにしてるところはまだやる気があるところだけど、番台のところは、いつやめよかなー、ってところが多いから。」

っつーわけで、今日は破風造番台型にターゲットをあてて、中野坂上の松の湯へ…近くまでいくと、なあんとなくヤな予感だが、前方に桶を抱えた女性がいたので安心。さてたどり着くと…

これが衝撃の光景!白幕で囲った工事現場。パワーシャベルが中にあるのだが…ああ、なんと無残。取り壊しの途中のようで、銭湯本体は横の階段を残して全て消えているが、なんと廃墟の中にたかだかと煙突が一本。巨大煙突は回りに足場を組まれて、今にも取り壊される寸前っす。無残なり。

まるで古代に絶滅した恐竜の背骨、あるいは進駐軍の手で解体される巨大戦艦のようであるっす(なんつー想像だ?)。銭湯愛好家にとっては、あまりにも衝撃の光景っす。

まあ仕方ないので、南下して近くの日の出湯へ。ここは中野坂上から10分程度。中野中央商店街にあるっす。しかしこのあたりも、古い住宅がゴミゴミと密集し、いかにも東京の住宅街っす。商店街も同様。こんなところの銭湯はやっぱり商店街のオアシスだなあ。

暖簾はもしかして手作りっぽい暖簾。玄関に入ると…ありゃー、下足スペースが広い。両翼に広がる。下足板は松竹錠。とりあえず自動ドアをくぐって中へ。脱衣場、男女の境にあるドアがカーテン、っつーのは東京では珍しい。カーテンを見ると、なんとなく突入したくなるっす。そんな気にならん?

しかしこの銭湯、大型銭湯っす。高い高い天井。ロッカーはぐるっと一回転近く回す鍵。男女の境のTV置台にはなぜかTVがなく、脱衣場フロアにソファコーナーとしてあるっす。見るとGT戦。客の多くは動きを止めて見入っている。

さてでは、中に入るか。しかしこの銭湯、浴室に入っても大型銭湯を感じるっす。東京屈指の大型だなあ。手前に「遠赤外線」の簡易サウナ箱。あまり熱くないヤツっす。中野区の古い銭湯には、なぜかこのタイプのサウナ箱が「置いて」あるっす。島カラン2列は大型銭湯の証なのだが、2列なのにカラン間の距離がかなりあり、ゆったりとしている。珍しい。

カランは温泉マークの入った古いタイプ。メーカーは…これも扇マークの入ったヤツか。カランとシャワーの温度はぬるめ。カラン配置は655544。44のところにサウナ箱があるっす。男女の境は錦帯橋のタイル絵。この絵は高そうだなあ、昔はここも栄華を誇っていたのだろうか。

メイン浴槽へ。深風呂が泡、浅風呂がジェットの2槽式はよくあるタイプ。しかしこの浴槽はとても幅が広くて大きい。これぞ銭湯っつー感じっす。壁画はこれまた大型、男湯富士山で西伊豆からのショット。しかし富士山の背後の山が大きすぎるような気がする。

温度計は46度を指しているが、体感は42度くらい。ジェットは一穴式の古いタイプがいくつか並んでいる。気泡が出ないのもあって、何個あるのかよくわからんっす。

風呂に入りながら天井を眺める。ホントに大型銭湯っす。広大な銭湯空間。天窓と天窓の間隔がかなり広い。

遠赤外線サウナにも入ってみるが、温度が低く汗が出るまで時間がかかりそうなので、すぐに出てくる。このタイプのサウナ、ちょっと厳しいよなあ。まあ無料だから別にいいんだけど。

上がってみると、すでにGT戦は終わっているようでTVが消えている。なんと現金!ドリンクケースの方を見やる。明治の牛乳なんだけど、コーヒー牛乳が一本あるだけで、白牛乳はない。もしかして品薄なのかなあ。他の各種ドリンクはあるっす。アルコールはなし。

ところで、駅のミルクスタンドで牛乳頼むとき、「シロ一本!」って言わない?あっしは言うんだが、「いわないぞー」とか言われたことあるっす。「シロ」で通じるよねえ。

っつーわけで、東京銭湯の教科書のような大型銭湯。設備はないが悪くないぞ。できりゃもうちょっと熱めがいいなあ。とりあえず当面、番台型銭湯最優先で回らねば。荒川区あたりが急速に危ないなあ。

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やすの紹介ページ

(2000年7月)