重の湯

aqua.gif (191 バイト) 場所 京浜急行 穴守稲荷駅 徒歩10分

見送り用事で空港まで行った後、普段あまり行く機会のない京急線沿線の銭湯に行ってみようかと。銭湯マップでは、穴守稲荷周辺に銭湯が密集しているっす。前々からここはコメントもあまりないし気になる銭湯であったっす。

穴守稲荷駅で降りると、駅前はいきなり鳥居。北方面にはなぜか全く銭湯が無いので南下。途中、道路沿いに「絶品!あさりラーメン」っつー店がある。自分で絶品なんて書いてあるところはロクなもんでもないだろうなあ…と考えながら、それでも入ってみる。羽田で取れたあさりのラーメンとのこと。食べてみると…これがなかなか絶品であったっす。あさりバターにラーメンを入れたような、塩味のバター入りラーメン。 すばらしい。700円なり。

羽田といえば、大方の日本人は空港を思い出してそれで終わりであろう。あっしもそうっす。が、この辺り、地味であるが伝統的な東京の住宅街の街並っす。特に海近くに行くと、住宅が密集しており、さらに自動車で入れないような狭い路地がくねくねと変につながっている。塀なんかもきっちりしてないので、道に迷い込むといきなり人の家の庭に出る、なんつーことも…平均所得は高くなさそう。

さて、狭いエリアに銭湯が密集しているので、ぐるっと回ってみる。各銭湯の印象は 

この辺りって、なぜか神社だのその手のものが多いっすね。なんでだろう?羽田に謎の歴史があるのか?さて、多摩川沿いに出てみる…川っつーてもこの辺りは河口だからほとんど海っす。堤防に出るとこれがなかなか風情がある。この辺りはゼロメートル地帯?堤防の海の方が、片方の民家より高い気がするっす。向こうには羽田空港の新しい管制塔と、離着陸する飛行機の光の渦。一転してこっちは、漁船が繋がれているさびれた川沿いの光景。


(羽田空港の明かり)

さて、次の端っこにある東湯に行こうとする。ここもマップでは番台型の上にコメントもない、っつーいかにも危ない銭湯なので、早めに行っとくべきリストに入れてある銭湯っす。あれ〜???通り過ぎたかな?ターゲットの番地には…ありゃ〜、不自然な広い空地。遅かったか…しかし本当にここは銭湯の跡なのかな?何か確認できるものは無いだろうか?

空地の囲いの一部が開いているので、中に不法侵入してみる。ううむ〜。全くのサラ地でわからん…あ?これは。空地に落ちている、いくつかのタイルを発見。この大きさ、微妙なカーブのしかたはまさに銭湯タイル。細かいタイルなんかもあり、これは古い造りのタイルだろう。ふと、モルダーになった気分になる。っつーわけで、穴守稲荷東湯は廃業を確認。さらに回る。


(地面に落ちていたタイル片)

さて、前置きが超長いが、やっと重の湯レポートっす。穴守稲荷駅からかなり南下、徒歩10分くらい?首都高速にへばりついたような位置にあるっす。構えは立派な伝統銭湯。看板も立派で、十分に現役で営業中の貫禄っす。入り口は「せんとう」暖簾。下足の鍵はカナリア。

番台は、目の高さにあるフロント的番台。番台のお姐さまが、かなり愛想が良く、メッチャ客商売している。番台対応VGっす。脱衣場は伝統型で天井高い。が、なんか綺麗にしている。内部照明も明るい。脱衣ロッカーの鍵はSAKURAV。

さて浴室へ。ぱっと見て目に入るのは、正面の壁画、男女にまたがる巨大富士。やっぱりこれですなあ。手前は渓流になっている。12年4月29日っつーことは書いたばっかりかあ。早川師の作になっている。若干富士山の頂上を強調しており、実物よりもとがっている感じ。

印象として、浴槽面積を広く取って優先させた銭湯。清潔感あふれる。設備もしっかりしている。カランは湯温湯量文句なし。シャワーはステンレスの立派なもの。「waguri」と書いてある。シャワーのメーカーはSAN-EIとあるのとwaguriとあるのを見かけるっす。桶は睦和?黄色桶だがやや小ぶり。桶の大きさっつーのも、銭湯にとって重要な要素なんすね。この間行った弘善湯なんか、「当店備え付けの桶より大きな桶は持参なきよう」なんてわざわざ書いてあるところもあったし。

さて、L字型になった浴槽へ。センター側から寝ジェット一機&泡の薬湯槽。高温槽。Lの角のところがぬる目のメイン槽でバイブラになっている。まずはぬる湯の主浴槽に入ってみる。バイブラがかなり強く、湯中浮揚する感じである。そして何と!この浴槽の脇には金魚の水槽が!風呂に入りながら見事な金魚を眺めることが出来る。これはなかなかよろしい。ぬる湯なので、温度は41度くらい。ゆっくり浸かるにはいい温度っす。もちろんこれがメインなら不満だが、高温槽があるので、かえってよろしいっす。

ぬる湯で温まったら、サウナだ。何とここは東京では珍しくサウナ無料!すんばらしい。しかも広めで綺麗なちゃんとした乾式サウナっす。元々湿式だったのを乾式に改造したような感じもある。サウナの出口には立ちシャワー2機。水風呂が無いので水シャワーになっている。ここと別に立ちシャワーブース2機。総計4機の立ちシャワー。湯水の噴出は強く、いい感じっす。

さて、次は薬湯。今日はスカイミントの青い湯。寝ジェットはなかなか気色が良いっす。最後に高温槽で締める。44度くらい。温度差のある銭湯はいいっす。

浴室施設はとてもよろしい銭湯だったが、脱衣所側休憩コーナー もなかなか。一角にソファコーナーを取ってあり、雑誌や新聞も置いてある。ビンのラムネを取って新聞見ながら一服。さらに喉が渇くのでヨーグルトドリンクも追加。ここは、ビン牛乳も置いてあるっす。

そうして…最後に気がついたのだが、ここの縁側が圧巻! 庭部分が…ほとんど全て池になっている。その中に鯉が…ありゃ〜、これは50匹以上いるんでないの?池だけ見ると、北千住のタカラ湯よりすごいぞ。東京ナンバーワンでないか? まさに「キング オブ 池」っす。

っつーわけで番台対応、浴室施設、値段、清潔さ、そして池とほとんどの点で満足できる銭湯っす。あとは水風呂のみだな。限りなく二つ星に近い星付き銭湯っす。

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(2000年8月)