千代の湯

(しかしこの入り口は…)

aqua.gif (191 バイト) 場所 三軒茶屋駅 徒歩2分

世田谷郵便局にいくついでに、三軒茶屋の千代の湯に行ってきたっす。三茶の駅からごく近く、2分くらい。246と世田谷通りの間にあるっす。まずこの銭湯、入り口が変わってるっす。トタンで囲ってある一部に入り口があって、「千代の湯入り口」とある。一軒、なんかのバラックの入り口のようっす。

なんでこんな変な構造になっているかっつーと…世田谷通り方向から、246方向から、両側から入れるので、どうやらこの銭湯は「通路」代りにされている模様。そこで店主がわざわざ、銭湯の玄関を通らないと通行できない構造にしているもようっす。とにかく変な入り口。

が、いったん中に入ると、威風堂々とした王道型銭湯。もちろん番台。まったく三茶の銭湯はどこも大型っす。今や三茶は綺麗なマンションが目立つけど、かつては風呂無しアパートが無数にあったのだろう。サザエさんの舞台は桜新町だが、むしろ三茶の方がそれっぽいっす。

脱衣場のスペースは広めで、天井は高い。かなり風格のある木の作り。なんと、番台の上に年代もののラヂオがあるっす。4,50年くらい 経っているようなラジオ。今は使われていないようだが、かつてはこのラジオからプロ野球の実況中継が流れていて、脱衣場の客は耳を傾けていたのだろう。そういや、星一徹一家もたぶん銭湯だろうなあ。ロッカーは通常タイプに見えるが、奥は深い。脱衣籠ももちろんあり。洗濯機が3台。

さて中へ。ここのペンキ絵は男女にまたがる偉大な富士山。古くなっていて、ペンキが相当剥げ落ちている。そしてこの銭湯のポイントは無料のスチームサウナ。スチームっつーても、あんまりちゃちでない。構造は乾式サウナにかなり近い。これは結構良かった。

カランの一列は全て立ちシャワーになっている。水風呂がないのでこれで水を浴びる。メイン浴槽は2槽式、一つはジェット&一つは泡風呂。よく見かける、「帝国大学教授」なんとかって書いてある、ガリウム鉱泉になっている。湯の色は乳白色。入浴剤入れてるのかな? 特に薬湯とは書いていないようだが…

さて、この銭湯のもう一つのポイントは…それは熱い湯だ! 温度計を見ると50度…いくらなんでもこりゃないよなあ、と思って中に入ると、それでも中々熱く、あっしの体感温度計ではおそらく45度強。あとで女湯のレポーターに聞いたら、女湯の温度は45度だったそうなんで、こっちが正しかろう。とにかく気色のいい湯っす。

しかも、「あつい湯が好きな方のために、水をうめたらそのままにしないでください」と書いてある。こりゃいいや。ここまでは気分が大変良かったのだが…

ふと周りを見ると、爺さんが多いのだが、そのうち一人がずっと浴槽のフチに座っている。熱くて入れないのだろう、この爺さん、 根性なしめ、と思っていたら、さっそく蛇口を開いて水投入。あ〜、オレの熱湯が〜。ここまではまだよいのだが…

なんとこの爺さん、半身を湯に浸かって、タオルでごしごし身体をこすりだす。こりゃいくらなんでも無法だよ。この分では掛け湯もしないで入っているに違いない。さすがに「メッ」という顔で睨んでみたが、爺さんは目を閉じて口を半開きでタオルで身体をこすって、しかもそれを浴槽の中でゆすいで絞っている。ぎゃー。 本当に注意してやろうかと思ったが、おそらく70過ぎた爺さんに何を言っても無駄であろう。まったく、どうせ人の役に立たない長ったらしい人生を送ってきたのだろうから、早く死んでくれ。

なんで銭湯の入り方一つでここまで言われないといかんのだ〜、となりそうだが、結構銭湯でその人柄とかわかるものである。公共の場所で最低限の緊張感のない人間は、どこに行ってもおそらく同じであろう。あまりに不快なのでとっとと出ることにする。

脱衣場で服着てると、これまたびっくり、「這って」風呂にやって きた爺さんもいる。文字通り這ってで、床をずってロッカーまでたどり着いている。ひゃ〜、そこまでして風呂に入りたいか! ってほかに方法がなきゃしょうがないよな。顔見ると、身体だけでなくて、意識にも来ているようっす。他にブツブツ独り言 言ってる爺さんもいたし、どうもボケ老人の多い銭湯っす。介護の時代、ボケ老人達とどうやって付き合っていくかも大きな 課題っすねえ。

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(2000年4月)