船橋湯


(2003年2月撮影、しかしボロ銭にベンツっつーのは一体…)

aqua.gif (191 バイト) 場所 小田急線 千歳船橋駅 徒歩30秒

東京でもAクラスのレトロ銭湯、千歳船橋の船橋湯に行ってきたっす。銭湯マップには「駅前0分」と書いてあるが、まさに駅出口正面のブロック内にあるっす。しかしまあ、こんな一等地に、昭和20年代の映画から抜け出してきたような一角が。マップには「駐車場」マークがついているが、要するに車とめれるだけの空き地があるっつーことね。


(千歳船橋商店街)

銭湯正面。大黒湯のような立派なつくりと違い、やや民家風のおもむき。建物は確かに東京銭湯である。横になんかすげー沢山廃材が積んである。そして玄関…古い。玄関に板がしいてある入り口。下足鍵はおしどりの古いタイプ。この下足入れがまた年代もの。しかも、銭湯のドアは、木造の引っ張るドアっす。これまた珍しい。


(脇に廃材が山ほど)

(このドアと土間がまたボロい)

じゃあ中に入るか。当然番台なのだが、ここでまたたまげる。かなり低めの番台なんだが…女湯モロ見えである。っつーことは当然向こうからも男湯がモロ見え。東京銭湯でこれだけオープンな造りは珍しい。ついたても無い。番台のお姐さまは、座布団を何枚も積んでその上に座っている。ふと笑点を思い出す…

脱衣ロッカーも比較的少ない。むろん内部構造も伝統東京銭湯らしく天井高いつくりなのだが、あまり贅沢なつくりではない。当然のごとく 丸い脱衣籠が積み上げてある。真中に、ちょっと立派な革張りのソファ2つとテーブル。マンガが何冊か置かれている。

さて浴室へ。浴室と脱衣場の境の戸は木の戸。でもって、内部もこれまた年代ものの浴室なんだが…ありゃー、シャワーがない。 いまどき珍しい。カランも旧式の丸いカランっす。石鹸だの置く段のタイルが細かい。これはかなり古いタイルだろう。1列の島カランも、当然シャワーなくカランのみ。んでもってここの桶が、睦和の古いタイプ…MUTSUWAと書いてあるだけど、何とこれが「ヤクルト桶」。白い色っす。 あんまり見たことないっすよねえ。

この銭湯を特徴づけるもの、それは5枚のタイル絵っす。男女の境に3枚、それぞれ雉、鷹、鹿のもの。浴槽背後には2枚、風景ともう一枚は動物系だったようjな。鈴英堂の九谷焼…っつーことは章仙師の作か? しっかし、このタイル絵って高いんだろうなあ。近代銭湯はこういう所にはカネをかけない。銭湯黄金期の遺物であるっす。

メイン浴槽は深いのと浅いのと2槽式。余計なものは無い。静かに湯をためている。温度計なぞない。多分熱いんだろうなあ…と浅いほうへ。予想通りやや熱め、浅風呂で44度くらい。壁画は富士山ペンキ絵。 レトロ銭湯の割にはペンキ絵が新しい…と日付を見ると「11.11.11」。へー。ナカジマ師の作かなあ?しかし、こういう何もついていなく、壁画だけっつー銭湯もたまには落ち着く。深い方にも入ってみる。こっちは45度くらいか。

浴室天井はもちろん高いが、かなりボロい。しかも、女湯の方を見てみると、下から天井へつっかえ棒が延びている。おいおい。釜場へのドアも木のドアで、かなり古いものであるっす。

上がりはすりおろしリンゴを飲みながらソファで一服。しかし、銭湯とリンゴジュースの相性がいいのは何故だろう。ふと横を見ると…女湯の脱衣場の一部が見える。(-_-;が、ここで新発見。女湯のロッカーは木のロッカーで、表に1だの2だの大きな文字で書いてある超旧式。 これまたすごいもんであるっす。

しかし、千歳船橋駅前の一等地。小田急の複々線化が進んでいるのでこの辺りはぐっと新宿に近くなり、デベロッパーも狙っているエリアっす。 駅前にこれだけの広い敷地はあまりなかろう。一体時価何億円するんだろ。行ったことない人は、是非早めに訪れることをおすすめするっす。タイル絵は現在急速に滅亡しつつあるのだ。


(銭湯MLメンバーからの報告、2002年3月)

さて、先日も行きつけの船橋湯に行ったのですが、そこにガリ版(死語?)風の地域新聞があり、船橋湯が掲載されておりました。なんと!あの女将さんは92歳との記述が!!うーむ、、、いつ行っても番台は女将さんだけだし、親父さんは釜場で酒飲んでいるし、後継者不在なのかなぁ、、、スッゲー心配っす。

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(2000年7月)