鶴の湯

aqua.gif (191 バイト) 場所 東急世田谷線 松陰神社前駅 徒歩2分

年の瀬の夜、駆け込みで年賀状を世田谷郵便局に直接出しにいき、そこから駆け込みで松陰神社の鶴の湯へ。銭湯入らんと年越せないもんね。この銭湯、家から徒歩で行けるところで残していた、数少ない銭湯っす。っつーても徒歩で30分以上余裕でかかるけど。世田谷線松陰神社前下車徒歩2分。

まあ、残しておいた銭湯だから、正直いってあまり期待してなかったんだが…これがまた変な銭湯だったなあ。変っつーても、いかにも変でなくて、一見あくまでも伝統銭湯。でも、入ってみるとなんか変、っつータイプの変。正面は堂々とした破風造り。横に木があって、これがまた立派に格好良い。期待が高まる。

暖簾は花王の七福神。下足の鍵は松竹錠。破風造りでは珍しい自動ドアから中へ入る。むろん番台。脱衣場のロッカーは松竹錠。ここまでは超正当派っす。エアコンから暖風、十分暖かい脱衣場っつーのもポイント高い。洗濯機が3台、一台は稼動中。脱衣場の洗濯機が実際に稼動しているところにお目にかかるのも珍しい。最近は乾燥機付のところが多いし、脱衣場内だと空いてるかどうかわからんもんね。男女の境は柱時計にTV。

さて、浴室へ。ここは浴室入り口も自動ドアになっている。中に入ってまず目に入るのは…男女ブチ抜きの見事な富士山。はあ、これは見事。画風からいって、おそらくナカジマ師のものだろう。手前は海、っつーことはやはり西伊豆からか。やっぱり男女ブチ抜きは迫力が違う。

カランは丸いレバー式。シャワーが窓際一列がハンドシャワー。この銭湯、いっけんあまり大型という気がしないのだが、島カランが全2列あるっす。「全2」の意味は、島の両側にちゃんとカランがついているっつー意味ね。かといって間隔が狭いという気もあまりしない。このうち、1列だけ固定シャワー付。むろん固定シャワーに陣取る。湯量、湯温問題なし。

さて、風呂に入るか。3槽式、薬湯に浅深という構成。とりあえず手始めはぬるそうな薬湯へ。この薬湯、白濁系のありがたそうな湯なんだが…ここで ビックリ。後ろに能書きが書いてあるが、この入浴剤の能書きは…「エッキス」エッキス?あわせてマンガが書いてあるのだが、これまた…ありゃ〜、これは戦前の画風でないの?能書きも旧字体である。これは珍しい。が、現役だよなあ。一度見てみることをお勧めするっす。昭和何年くらいのものか鑑定してほしいっす。

で、肝心の湯の方。2人ギリギリ入れそうなサイズだけど、かなりぬるくて40度くらい。湯は「エッキス」が効いていて、なかなかいい湯っす。ミルク湯に通じるものがある。白いっつーことはカルシウムが入っているんだろうなあ。

お次は浅風呂。バイブラとジェットになっていて、一部赤色ランプ。で、足を入れると、これがなかなか熱い。もしかして昨日入った竹の湯より熱い。熱い湯といえば台東区、というイメージだが、三軒茶屋周辺の古いタイプの銭湯の方が、全体的に熱いかも。温度計は静かに45度を指しているが、本当に45度あったかもしれないっす。ジェットは3穴が2機。深風呂はやや熱い程度。深風呂側で身体を傾けて、見事な富士山を眺めながらゆっくりご入浴。

と、ここで妙なものを発見。浴室建築は昔ながらの2段天井、ペンキは塗り直しているようでかなり綺麗なんだが…その天井。直径3メートルはありそうな巨大な日の丸。日の丸?白地に赤い丸っつーことは日の丸だよな。日の丸銭湯?こんなの初めてだぞ。

上がりは脱衣場で…あ、ドリンクなしだ。洗濯機が三台あるのにドリンクなしとは…なんか変わった銭湯っす。番台横に、いかにもカレンダーの裏紙のような紙にマジックで「ケータイ禁止」と書いてある。ケータイ禁止銭湯。たしかに伝統型銭湯と携帯電話は似合わない。しかしまあ、「禁止」までいかんでも…

とにかく、一見普通の銭湯なんすけど、天井の日の丸といい、「エッキス」といい、銭湯マニアにとってはなんか一風変わった印象のある銭湯っす。マニアは一度いってみるといいかも。さて、上がったらいよいよ21世紀もまぢか。これからシモキタに戻ってカウントダウンだ! 

(注:結局朝の7時まで飲んでいる…で、昼過ぎにTELで地元ギャルより「どこか元旦にやってる銭湯ない?」だと。すっかり地元でも銭湯マニアと知れ渡ってしまったなあ。)

(注2:おまけに次の日も別のギャルから「いつもいつも銭湯の話ばかりで悪いんだけどさあ…」と…)

Deep Acidの紹介ページ

やすの紹介ページ

(2000年12月)