梅の湯

2003年8月末をもって廃業しました


(2003年8月撮影、実に惜しまれる雄姿)

aqua.gif (191 バイト) 場所 京王新線 初台駅 徒歩3分

初台の梅の湯に行ってきたっす。初台駅から南へ徒歩3分ほど。新宿に程近いこんなところにも、いかにも昔からありそうなありふれた商店街が。商店街からちょいと入った路地にあるっす。

店構え…ううむ。相当立派な寺社造り。貫禄バッチリっす。暖簾は牛乳石鹸暖簾。ところで、牛乳石鹸って何で「牛乳」石鹸なんだ?下足板はおしどり。番台で400円払う。

脱衣場は…これまた広い。しかし伝統的であるが、庶民的現役臭さが染み付いている。天井は相当に高い。縁側と小庭つき。金魚の水槽が2つあるっす。ロッカーの鍵は壁際がおしどり、センターにあるのが松竹錠。しかしかなり大型の銭湯っす。

さて、浴室へ。まず目に入るのは男女をまたぐ富士山のペンキ絵。横に窪み付きのヤツっす。この窪みつける絵師って誰だったけなあ。手前は海?湖?いずれにしても水っす。なかなか雄大な絵っす。

島カラン2つつけれそうな大型銭湯なのだが、島カランは1つ。なので、カランに余裕がある。それでもカラン配置は7777の28個。大きい。カランはちょっとぬるいかなあ。シャワーもちょっとぬるい。客が2,3人しかいないからか?シャワーは栓をひねると、横からお湯漏れがする。

メイン浴槽へ。温度表示は43度。こんなもんか?もうちょっとぬるいか?2槽式で、深風呂がバイブラ、浅風呂がジェット3機っつーよくあるタイプ。が、泡噴出力やジェット力が強いので悪くない。浴槽に入って前を見ると、脱衣場との境のガラスは、たまにある40年代、海中ヌードすりガラス。この絵、目バリがなあ…男湯は胸を隠しているが女湯は隠していない。なるほど、男女2パターンあるのか。浴室天井は高く、そして広い。

この銭湯、脱衣場と浴室の間のガラスがなかなかオープンで、端の方は一枚ガ ラス。しかも良く掃除している。変な話だが、ガラスが無いような気がしてそのまま突き破りそうである。目が悪いと危険かも。

っつーわけで、かなりの伝統型大型銭湯。教科書のような東京銭湯っす。帰りに脱衣場を見ると、渋谷浴場組合梅の湯名入りのウチワが「自由にお取りください」と置いてある。早速一枚もらって帰る。まだ20枚くらいあったから、今行けばまだあるぞ。

脱衣場で、なぜかバイクのヘルメット持参で来ているが、熱心に銭湯マップ2000を読んでいるワカモノがいる。もしかしてコイツも探検家か?銭湯探検家は孤独な活動なのだ。


(2000年7月撮影)

(2000年7月)


どうやらDEEP ACIDとニアミスしてたらしい。

廃業間近とウワサを聞きつけ、初台の梅の湯に急行。っつーか、割と近いんだよね、ウチから。行きは小田急の参宮橋から、こっちからだと12分くらい、初台からだと商店街を抜けて3分くらいっす。途中、首都高速の地下環状線の工事に当たる。いずれ「あそこも工事中だったんだよなあ」という時がくるんだろうなあ。


(首都高速地下環状線が工事中)

さて梅の湯、発射台型の煙突が目印。この付近にはあまり高い建物はないっす。正面に回るとこれまた立派な千鳥破風、まあ東京風の典型銭湯っすねえ。外から見ただけでは、廃業を感じさせるものは何も感じとれないが…下足板の鍵はおしどり、中に入ると番台形式。おや、この業界では比較的若いお姉様が座ってる…若奥様?


(番台裏のガラスには富士山らしき模様)

脱衣場天井は高いっす。ロッカーの鍵はおしどりの板鍵と松竹のシリンダの混成軍団。TANAKAのアナログ体重計、洗濯機が3台あるけど稼動はしていない模様っす。金魚の大きな水槽。長いす、灰皿。縁側はそこそこ広くつくってあるっすねえ。そして脱衣場鏡には…「8月一杯で閉店」との廃業宣告書。店に通っている人じゃないと分からないようになっているんだよなあ。

浴室へ。日曜の早い時間のせいか、親父衆を中心に客もそこそこ。天井高い2段の典型型東京銭湯っす。島カランは1列でシャワー無しの鏡のみ。桶はケロリン黄色、椅子は普及タイプ。カランは5角の赤青プラスチック、最初はぬるかったけど、後になってシャワーともども適温適量。

そしてビジュアル。最奥部には富士山のペンキ絵。手前が湖だから富士五湖サイドからのものか。中島師の絵だが、結構新しいよなあ…良く見ると、浴室の内側も比較的綺麗にペンキが塗られているっす。脱衣場と浴室の間のガラスに、例の水中目バリ裸婦。

さて風呂だ。これまた東京典型の浅深2槽式。浅風呂には2穴のジェットが3機、湯内ランプがついていたようだが、いずれも動作せず、シカケのない風呂。まあたまにはこれはこれでよろしい。温度は…一見熱そうに見える雰囲気だけど、これがなかなかぬる湯、42度くらいっす。深風呂サイドはバイブラ。

上がりは…おや、番台がいつの間にか子供と交代しているぞ。まだ小学生くらいの女の子、彼女もこれからは、多分一生、番台に登る機会はないだろうなあ、そもそも番台自体が急激に無くなりかけてるもんなあ。ドリンクはビンものやビール等、そこそこ充実っす。っつーことで、東京副都心間近のレトロスポットがまた一つ消えるか…8月末までだから、急いだ方がいいぞ!


(オペラシティに初台の商店街)

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(2003年8月)