第二香藤湯


(たまらん…)

aqua.gif (191 バイト) 場所 京成線 押上駅 徒歩12分

東京屈指のボロ銭。

ウワサの押上の第二香藤湯へ。押上の駅を降りて、押上通り商店街を抜け、住宅街の中に煙突と破風造り発見。駅から結構あるな、12分くらいかな。しかしこの銭湯の構えは…うむ〜、シブい。ウチの近くの代沢湯に通じるものがあるな。


(この手の銭湯といえば、入り口のこのタイル)

暖簾はどうやら手作り?玄関の天井も格子だけど、かなりキてるなあ…下足入れは相当にすさんでて、下足板の鍵は松竹なんだが、ついているヤツがほとんどない。一部は下足の鍵を黒く塗ってあるんだが、これまた剥げかけ。下足入れの上に人形、黒田節?


(札が入っているのが数えるほどしかない)

(この手の日本人形もしばしば登場)

戸を開けて中に入るが、この戸がまた滑りが悪いっつーかかなりキててややビビる。番台で400円、番台のお姉様はそんなに年配っつー感じはしないが…しかしこの銭湯は…明らかに、レトロっつーよりボロ銭っす。天井は端がカーブ処理された格天井だが、板が一部壊れてる。ロッカーの鍵は板鍵なんだが、さくらとSAKURAUと松竹の混成軍団。

男女の境の辺りに、照明、いや、かつて照明だったものらしき物体が下がっているが、これはどの位の年季なんだ?3羽の扇風機が天井から下がる。男女の境にTVがあるが、カバーがかけられていおり、どうやら使用されなくなってしばらく経っている模様。ビタ牛乳のドリンクケースがあるけど、どうやらこれも使用されなくなってしばらくっぽい。洗濯機が2台あるが、果たして稼動するのか?旧型マッサージ機が1台、これも怪しい。新型が一台あるから、こっちは現役っぽいな…あとは昔なつかしテーブルゲーム。当然動いていない。一つ一つのアイテム、いちいちボロいっす。

ただし、ロッカーの上にある金魚鉢、この金魚はなかなか見事だ。女湯の方に目を向ければ、ん?なんかじゅうたんのような形状の布が沢山ぶら下がっているっす。アレは何なんだろうなあ。あと、どうやら巨大なクリスマスツリーが女湯の方にあるようで、イルミネーションがチカチカしてるっす。この辺りのバランスが妙…

さて、浴室へ。浴室の戸は、昔のタイプの、引っかからなくて左右に動いて、なかなか隙間を閉めるのに苦労する、あのタイプっす。浴室天井は高い2段の東京典型型だが…こりゃすげーな…ペンキがほとんど剥げかけており、なかなかソーゼツな雰囲気。桶はUniverseとかある、ピンク色の桶、グレー椅子。島カランは1列で鏡もシャワーもなし。っつーかシャワーがついているのは、男女の境側のみ。

カランは丸ボール型のレバーだが、ところどころ付けかえられており、銀色の六角のWaguriのもいくつか。湯が…熱い。水が…冷たい。シャワーはあちこちに飛びまくっているっす。ところでカランの湯、ためると気持ち、色がついているような気がする…井戸水かな?しかし、錆が結構混じる…配管結構いってんなー。

ビジュアルは…最奥部の壁に、これがまた剥げかけた、しかしながら富士山のペンキ絵。手前は湖。この画風、特に建物とヨットの色使いは中島師でないかな…しかし、手前にモーターボートに乗ったが書かれているんすよね、中島師で人物入りは珍しい、かなり昔の絵かなあ。男女の境には夕暮れの風車光景モザイクタイル絵、風車はよくあるが、夕焼け色は珍しいっす。

浴槽は東京型の最奥部に深浅2槽、タイルは細かくって昭和40年代くらいの感じっす。しかしこの浴槽形状がちょっと変わっていて、手前カーブになっており、なかなか優雅、浴槽面積は広め。深浅の間には石が積んであり、ここから湯がこぼれているっす。特に浴槽にシカケなし、わずかに泡。

温度は44度くらいと結構熱め…だが、なんか湯が柔らかい感じがするなあ、熱い湯でも長湯できそうな、柔らかい湯っす。やっぱり井戸水かな?そして、どんな銭湯でも珍しいものはある…ここの浅風呂のが、何と熱帯魚のモザイクタイル絵。九谷焼きの鯉とかが底にいるのは見たことがあるが、モザイクタイルの絵が底にあるのは珍しいっす。

客は他に爺さんが二人。どうもチャキチャキの江戸っ子のようで、片方がせっかちタイプ、片方がボケで会話中。

「この間、関西に旅行いってきたんだって?」
「おうっ、一日目は京都で、金閣寺と清水寺」
「ほうほう」
「二日目は大阪行って、通天閣と大阪城」
「カニは行ったかい?」
「カニ?なんだそりゃ?」
「ほら、あの飛びこむところの」

脇でダンボしてるあっしが、思わず「そりゃ道頓堀だろ!」と言いたくなったっす。しかし、確かに東京人にとっては、カニ道楽のカニは通天閣と同じくらい大阪のシンボルかもなー。っつーことで、マニアは是非行ってみるべき銭湯っす。

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(2003年12月)