竹の湯

2000年12月31日をもって廃業しました

aqua.gif (191 バイト) 場所 地下鉄 田原町駅 徒歩5分

さて、年の瀬も押した30日は、大晦日で廃業となる元浅草の竹の湯へ。田原町下車、かっぱ橋道具街と逆側に進む。かっぱ橋の入り口は相変わらずニイミの巨大コック。駅から徒歩5分ほど、煙突発見。しかももくもくと黒煙をあげている。古いビル銭湯っす。出来たころは、この周辺ではこの煙突が一番高かったんだろうが、回りの建物も高くなったため、煙が届きそうな建物も。


(かっぱ橋といえばコレ)

(廃業寸前、存在感を誇示するような煙)

入り口は竹の湯オリジナルの暖簾が男女両側にかかる。暖簾をくぐると、正面には「12月31をもって閉店」の張り紙。下足の鍵は松竹錠。番台裏のガラスが竹模様になっているのは屋号からか。

ビル銭湯だが脱衣場の天井は高い。番台形式、番台のお姉さんは元気が良いっす。脱衣ロッカーの鍵は松竹錠、ロッカーの上に台を置いてTVを立てている。そういや、銭湯のTVなんてあまりに当たり前すぎて気にもしなかったのだが、TVの普及期の昭和30年代なんてどうだったんだろうか。集客のためにわざわざ高価なTVを据えつける、なんてこともあったのかなあ。

さ、中に入ろう。ビル銭湯だが、浴室の天井も高い。フラットだけど。昔の人は銭湯の空間を大事にしたんだなあ。島カランはシャワーがないので、シャワーのある窓側のカランに陣取る。桶は無地の黄色桶。カランの湯温、湯量はちょうどよいのだが、シャワーがちょっと断続になっている。男女の境は湖畔と木のタイル絵。浴室と脱衣場の境のガラス上部は鯉のすりガラスになっている。「客よコイ」か。

浴槽は2槽式で深浅タイプ。しかしここの浴槽は大きいなあ。奥行きがかなり取ってあるので、中でゆっくり身体を伸ばすことができる。しかも、入浴剤は入っているのか?少し白濁した湯。DEEP ACIDに熱めだと聞いていたので少し警戒してたが、そんなに熱くない?43.5度くらいか。いずれにしてもいい湯であるっす。浅風呂側は座ジェット3穴式が2機。

深風呂に移動すると、お、これがなかなか熱い。深風呂より1度くらい熱そうだ。が、あっしの体感温度計も信頼できるんかなあ。一回、温度計を持って入って、キャリブレーションしないと…で、ここの銭湯の最大ポイント、 それは壁画。男湯は黒富士?のタイル絵。少し誇張気味に険しい山頂になっており、江戸時代の絵のようっす。女湯はてっぺんに雪を抱いた冬の富士の模様。っつーことは、男湯側は夏の富士か。いずれにしてもペンキ絵とはちょっと違った味のタイル絵。

洗い場に戻り冷水をかぶり、身体を冷やしてまた熱い湯を繰り返す。冬はこれに限るよ。いや〜熱めのいい湯っす。客はちらほら、やはり年寄りが多い。

上がりは脱衣場でビン牛乳。一服しながらスポーツ新聞。長いすとテーブル、マッサージ機があるのは一般的だが、なんと銭湯マップ94が置いてある。こうしているとごく普通の光景だが、女湯の方からは 

「いままで長い間お世話になりました」
「またどこかであいましょう」
「お元気で」

という挨拶が続く。ううむ。帰り際、番台のお姉さんがいきなり「ごめんね、今日の新聞こっちだった。」と舌を出す。いずれにしても元気のよいお姉さん。この銭湯もあっという間にサラ地になりビル建設が始まるのだろう。長年ここに人間の息吹があったという証拠をいっさい消して…


(終了宣言書)

Deep Acidの紹介ページ

やすの紹介ページ

(2000年12月)