「サン=ジュスト転生」
長谷川佳子著

この世は陽と陰の霊が戦う戦場であり、陽の霊気は祖先崇拝をとなえて封建的国家を作り、陰の霊気は理性と個の絶対性を信じて共和制国家を作る。そう考える著者は陽の世界の主、国王を殺しに向かう陰の霊の戦士こそサン=ジュストととらえる。独特な考えで展開される話が、しだいに読む者をある熱の中に巻き込む不思議な物語である。(共同通信)


物語は断頭台に向かう荷馬車のシーンから始まります。馬車に乗せられている囚人は、昨日までフランス共和国を支配し、「死の大天使」と恐れられていた26才の美貌の革命家、ルイ・アントワーヌ・レオン・ド・サン=ジュストとロベスピエールの一派です。
ここからがこの小説の不思議なところ。ギロチンの刃に首を落とされたサン=ジュストは霊となって、少年時代の恋や、自分の転生や、霊界の秘密について語ったりするのです。この世は陽の霊と、陰の霊の戦場で、陰の霊界の大天使であるサン=ジュストの使命は、陽の霊界の主である国王ルイ16世を殺すことだったのだと明かします。
ちょっとオカルト的で難解な気もしますが、タニス・リーの世界を読むような不思議な魅力が感じられるのです。行間に潜む緊張感と真摯さに引きずられて一気に読んでしまいました。(JUNE小説ガイド)


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