169話     デジタルはめんどくさい

 面倒というより、間合いをとるのが難しいと言うことかもしれませんね。小生はもとより典型的なアナログ人間です。インターネットを便利に使ったりはしていますが、それは車を運転するのと同じで、道具の使い方を知れば誰でも出来ること。いまどきホームページくらい器用に作る小学生はたくさんいます。マックで絵を描いたり、メールでPDF書き出しした文書や画像を添付して送ったりするのを見て、いまさら驚く人がいるのにはこっちが驚いてしまいます。車の運転をする人を見て宇宙飛行士と同一視したり、マウスやタブレットで絵を描くのを見て奇術師かペテン師と思うようなものでしょうね。

 そういえば「詳しいことはメールで」という電話での会話が多くなってきたような感じがします。メールに添付されたファイルは自分のパソコンで必要に応じて処理できるし、重いデータファイルで加工の必要のないデリバリーものなどはPDFファイルで軽量化して送ることが出来ます。PDFファイルを書き出すアクロバットの次のバージョンではテキストのコピーだけでなく、文字や画像の加工も自由に出来る(はずだ)とメーカーは言っている(らしい)のでさらに使いやすくなると期待がふくらみます。

「デジタルって言ってもだな、クリエイティブは感性だよ。コンピューターになにができるっていうんだ」ごもっとも。コンピュータ自身では何もできない。

「データで送ってくれといわれてるんだけれど、ファックスで送ればいいんだろう?確実だし」そう、確実です。受け取った相手が紙切れを手にして途方にくれることも確実かもしれません。

かとおもうと、「ボクのマックのOSのバージョンは8.6だよ。90メガをダウンロードするのはうちの専用線でも時間がかかったがね、ふ、ふふ」という人もいます。新しいことやモノにチャレンジするイノベーター精神は、時として「新G3の最高バージョンさ、ぼくのは」とか「新しいパワーブックってバイオみたいに軽いんだ。ほら、みなよ」とかスノッブに転化しやすいことも確か。だいたいはインストールして立ち上げた瞬間にHDの中がぐしゃぐしゃになったり、落っことしてただのプラスチックゴミになったりしてしまうことも多いんじゃないでしょうか。こういうときには、ざまーみろ、と貧民的喝采を上げたりもします。

「新バージョンではキャリブレーションは簡単さ。ICCプロファイルのサポートとエクステンションでね、ハイコンプレックス性のカラーリングをインテグレイテッドして、インターフェイスがベリイージーになったのさ」なにがベリイージーなんだろうか?こいつの頭か?「だけど、気をつけなきゃいけないよ。キミみたいに古いバージョンにオリエンティッドな人間は特にね。ボクが作ったグラデーションメッシュをキミの5.5とか7とかでは読めないからね。身の程知らずに読めたとしても、キミの古いプリンターではグラデーションメッシュオブジェクトはプリントできないのさ」こういうカタカナ男の頭の中身をイニシャライズしてまっとうな日本人にすることはできないのだろうか?しかし、この電脳天気オトコにも、このような高邁新進のワーディングは理解できないだろう。

「二枚の下がはええからよう、150のビシもふっとんどるし、のどくろがいくつか喰えば土産もまとまるんだが。根は荒れてすぐだからおう、なんも口をつかわねえなあ。お、にいちゃん、あんどんの蓋がひらいとるよ。ミンチがもたねえよ。鉄仮面やろうか?そっちはまたオジサンか。ねずっぽもか。お、かながしらがでたぞ。シコがまわっとる。青いのんが喰うかもな。おやおや、そっちのねえちゃん、そのキャロに喰ってるぞ。げげ、げげ、どんこびっみたいに鳴いとらんであわせてポンピングじゃ」

 え?もう、いいって?


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