194話     カミさんの誕生日


 カミさんの誕生日 きのうはうちのカミさんの誕生日だった。

 小生、すっかり忘れていたのだが、同僚の飲兵衛さんから「どう、帰りにいっぱい?」と誘われた途端、それを思いだしたのだ。いや、あぶない、あぶない。

 このところカミさんは下の脳天気むすめの勉強を台所のテーブルの上で見てやっている。「ボケ防止にいいわねえ」といいながら、自分でも頭をひねりひねり、子供の参考書のページを繰っている。鼻歌をうたいながら汚い字を書く中一の娘の頭をこづいたり、ガスレンジにかけた鍋の様子を見たり、なかなか忙しい。

 狭いダイニングに(この部屋だけストーブがあるので)上の娘も高校生の息子も腰を落ちつけて、試験勉強をしたり、漫画を読んだりしている。「ヒデ(誰だ?)」のCDをヘッドフォンで聴きながら試験勉強する隼人(長男)の脇で、さやか(上の娘)がテレビの歌番組を見ている。その音がテーブルで汚い字を書いているしづか(下の娘)の邪魔ではないかと、旧世代のオヤジは思うのだが、「ぜ〜ん、ぜ〜ん」気にならないのだそうな。彼女の頭の中には別の音楽(たぶんアムロか、MAX)が流れているに違いない。

「さあ、メシだぞ〜」と声を掛けると、娘たちが集まってきた。ヘッドフォン頭を叩いて息子にも知らせる。

子供たちは、箸を並べたり、お茶をいれたり、ご飯をよそったりと、それぞれの仕事(というほどのものかね?)をする。ワインを開ける。子供らが、どこかに隠していたプレゼントを出してきて、カミさんに渡す。小生のプレゼントはこの日の晩飯。(そして子らには言わないが、いつか休みのとれる土曜日の昼に、近所のイタリアレストランでご馳走すること)


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