259話 13.3.18
仰天ということ

こんなステレオタイプはいないと思ったが、こんなのばかりだ。
 去年の3月12日の手控えに、こんなことを書いた。
日暮さんというイラストレーターがおられる。 
ビッグコミックの表紙に著名人の似顔絵を30年間描いておられる日暮さんは、じつは著名なイラストレーターであり、装幀画家でもある。以前、わが仕事場でもお世話になったことがある方だ。

「政治家ってのは、もう、品格のなさ、どろどろした欲望、複雑怪奇な性格なんてものが、モロに顔にでますね」
「・・・」

 週刊新潮か文春だったか忘れたが、「夜に蠢く政治屋どもの、食欲と権力欲」という特集記事を読んだ。タイトルから見てたぶん新潮のほうだろう。文春なら「相も変わらぬ料亭政治。国民の呆れ顔がみえないか?」とでも書くところかな?

 赤坂の「若林」や「口悦」(この二軒の料亭は、すぐそばにある。以前小生の通勤途上にあった)に連夜脂ぎった顔を寄せて密談にふける政治屋たちの蠢動を、その特集記事は克明に暴いていた。利用回数や金額まで取材していたが、それを見る限り、センセイ方、どうもホントに連日連夜の美食・飽食三昧らしい。
 生命力が強靭なんだろうな。脂肪肝とか痛風とか胃潰瘍とかにならないのかな。まあ、政治屋たちはおおむね長生きだ。ボケすぎて国益を損じるような発言までしゃーしゃーと垂れ流す、恍惚の財政担当大臣もいる。年間800万円ほどのフグ料理代金を料亭に支払うという、人品卑しいことで知られる某党幹事長もいた。赤坂の料亭地帯に廊下があれば、鳶のように飛び回るところだろうが、そのかわり黒塗りの車で走り回る。たったの100mしか離れていないんだぜ。そのたびに白い手袋の運転手にドアを開けさせて車に乗り降りする。
 小生、毎夜のごとくそんな風景を横目で見ながら仕事場から帰っていた。この連中には良識とか脳とかだけではなく、親に貰った手までないのかと呆れながら。

「阪神大震災の犠牲者」「開発・伐採・汚染で悲鳴をあげる国土」「<法匪に守られるテロ集団>による被害者」「覇権国家による内政干渉に歯がみする国民」 「北朝鮮に拉致された人々」「ハワイで米国潜水艦に沈められた高校生」など、彼らに(どう言い訳しようが)本当の関心がないことはしれている。
 永田町と赤坂のちんまりした地域にだけ棲息できるブザマな連中だ。サル程度の常識があれば、政治的には既に死んでいる首相を海外に送り出し、首脳会談とやらにさらすかね?したたかな相手に軽蔑されながらとことん利用されるのがオチだと、なぜ理解できないのだろう。いや、ホンネでは分かっているのかもしれないな。であれば、もう立派な国家への反逆だ。しかしこの動物たちを、選挙で選び(選ばされ)、喰わせてやり、威張らせているのは我々自身なのだと思うときに、タイトルの如き心境となり溜息をつくのだ。
去年の手控えは、こう結んでいた。
 先日の地下鉄事故で亡くなった方々のなかに、若い高校生と新婚まもないご婦人(鹿児島の方で、南日本新聞社東京支社のOLだった!)の名があった。罪無きこの犠牲者たちのかけがえのない命を、永田町に巣くう妖怪ども1ダースと取り替えられるならと、つい天を仰いでしまった。いや、そんなものでは足りないか。
きょう購入した「藤沢周平のすべて」(文春文庫)から
「物をふやさず、むしろ少しづつ減らし、生きている痕跡をだんだんに消しながら、やがてふっと消えるように生涯を終わることができたらしあわせだろうと時々夢想する。  藤沢周平」
同じく、きょう購入した「考える犬」(第16最終巻・講談社)から
「キサマは何がイチバンの力か知っているか?腕力?どんな強腕も鉄砲一丁にかなわん!権力?欲しがる奴の気が知れん!自分以外の誰かをシアワセにする力、これがイチバンの力だ。  大門寺大吉」

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