(下燗)
(下燗)

●酒は神々の領域

鹿児島に田の神様(たのかんさあ)があれば、東北地方にももちろん田の神がおわす。
3/16に田の神様たちが山から戻ってきなさる。
秋10月16日にふたたび山にお戻りになるまで田の神さまたちは里にいなさるのだ。
3/16は「十六団子」という。田の神さまたちを16個の団子を揃えてお迎えする行事の日。米も芋も酒の原料は全部自然のもの。神様の領域のもの。人間は自然の恵みをいただいて食べ物を作り酒を造る。感謝と報恩を忘れてはならぬということである。
深い感謝の意をこめて、一杯。「天の戸 美稲(うましね)」その次ぎは「さつま大海」といこうか。


●鹿児島に暗君無し、なかでも・・・

3/19はフランスで写真機が発明された日。1839年のことである。
それから約20年後、1857(安政4)年9月17日に島津斉彬公の写真が撮影された。
春と秋、二度の祝杯をあげてもいいほどの画期的なできごと。
日本の写真記念日は6/1だが、これは斉彬公の撮影日を誤認したもの。でもまあ、祝杯は多いほうがいいからいい、かな?酒はもちろん「麟州」でしょうね。


●気候不順なころあい、みなさまご自愛を

数年前になるが3月の20日を過ぎて大雪に見舞われたことがある。
所沢で積雪25cm以上あった。寒の戻りに気をつけないといけない季節ではあるが、しだいに春の香りが濃厚になってゆく時期でもある。
さて、春分の日3/21は自然を称え生物を慈しむ日とされる。この日はまたソーラーシステム振興協会が制定した「太陽の日」でもある。
太陽といえばカリフォルニア。この州のファンシーエッグ協会が制定したのが「卵の日」。卵に絵を描いて(エッグアート)贈る習慣にちなんだ記念日である。
洋の東西をとわず生命の躍動とその源泉を感じる日だ。これはもう一杯やるしかない。酒はもちろん「さつま太陽」そして「明るい農村」。自然の恵みと造り手さんに感謝しつつ一杯また一杯。肴は卵焼きかな。


●水の惑星の焼酎の国

3/22は酒造りには欠かせない水の記念日、「ワールドディ フォ ウオーター」である。日本では8/1が「水の日」となっているので、この日は「地球と水を考える日」としている。
人体の8割は水であるという。そのうち半分くらいは焼酎というのがのんごろ。25度の焼酎の四分の三は水。蒸留水と割り水だ。焼酎の味わいに「水」がどれほど大切な位置を占めているかわかろうというもの。こういう日は水への感謝をささげつつ一杯やるしかない。ほどよく熟成した「竹山源酔」、さらに熟成した「薩摩幻水」をロックで。氷の水にもこだわりたい。


●切れて困る焼酎と電気

今は昔。電力の無い時代の焼酎造りは大変だっただろう。
原料芋も麹米も人力で蔵に運ぶしかなかった。製麹機もモロミのポンプによる移送も温度管理も電気があればこそ。3/25は日本電気協会が制定した「電気記念日」だ。中央電信局の開局祝賀会の会場に50個のアーク灯が輝いた日。日本で初めて点った電灯だった。されば文明の輝きを記念して一杯。酒は「電気ブラン」といきたいが悪酔いするといけないのでやはりここは本格焼酎。「煌の島奄美」をストレートで。古式の造りを偲んで「黒瀬杜氏」そして「萬膳」といこうか。


●極楽にいちばん近い焼酎って?

日本書紀に、天武の帝が「仏舎を作り、仏像および経典を置き、礼拝供養せよ」と詔された日が3/27である。
それに由来してこの日は「仏壇の日」。
「仏壇」といえば鹿児島川辺。精巧極まりない川辺の仏具は見ているだけで天国、もとい極楽気分になってくる。
まあ、生きてあるうちは仏壇より焼酎。川辺の焼酎もまた秀逸。ありがたい気持ちになったところで一杯。もちろん酒は「さつま寿」そして「八幡」でしょう。つまみは
黒毛和牛の味噌焼き、川辺地鶏の刺身でしょうか。


●春の風に火の用心

3/29は特に記念日というわけではないが「八百屋お七」が火あぶり処刑された日。
世界に冠たるリサイクルシステム、水道インフラを誇った「江戸」も、火には弱かった。火付け盗賊改めが特に置かれた理由である。
春の陽気にボンヤリして火の用心を忘れてはいけません。ということで、一杯。やはり「欧羅火」をストレートで。米の後はやはり芋の「鬼火」となりましょうか。
3月の晦日は年度末である。せわしかったこの一年を振り返りあらためて新年度への気持ちを奮うために一杯。〆は「薩摩精酎組」。これにて3月ののんべえ歳時記は幕。

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