(下燗)
(下燗)

●厳密ならざるも(が)良し

焼酎居酒屋や焼酎バーが時節のタケノコのように登場している。すこし出過ぎじゃないかいと言いたくなるほど。もちろん新開店の店だけでなく、これまではなんとかサワーや梅干し溶液しか置いてなかった店までも、「芋焼酎ならなんでもいいから、くれ」と酒販店に迫っているらしい。
たまさかそういう店にぶち当たると、試験管のような小さなグラスにホンのちょっぴり焼酎を注いで出してくる。「当店は60ミリリットルきっちりお出しします」と誇らしげだ。「これ、45ミリリットルしかないんじゃないの?」と聞く客もいる。「原酒ですから」と店。うだうだ言ってないで、どばっと注がんかい!と気の短いのんべえなら叫ぶかもしれん。
二年ほど前、「はちまんろかせず」をおおぶりのロックグラスにドバドバと注いでくれた「ひじり亭」の店主氏に、「ずいぶん気前よく注ぐんですね」と言ったら、「このほうが気持ちいいですからね」とさりげなく答えてくれたことを思い出した。
利益確保のこともあるから一概には言えないが、あんまりちんまりと計量するのもなんだかな〜という気持ちになるもの。5/20は「世界計量記念日」だ。
この日くらいは「計量」せずにドバドバっと・・・え?ダメ?

●いまならゆりかもめが旬かもね

「いっそ小田急で逃げましょか」とは、”昔恋しい 銀座の柳 仇(あだ)な年増(としま)を 誰が知ろ”と始まる、流行歌「東京行進曲」の四番の一節。
いまならお洒落なお台場を走るゆりかもめが道行きにはいいかも。いやいや、突き当たりは海だし、逃げるのには向いてないか。
昭和4年(1929)の5/20同名の映画主題歌として発表された曲です。西条八十作詞、中山晋平作曲。その二番に、

恋の丸ビル あの窓あたり 泣いて文(ふみ)かく 人もある

とあるけれど、いまの新丸ビルならあの窓あたりは雲に隠れて見えないかも。泣いて手紙を書くような古風なビジネスガールもいないだろう。同送メールで、合コンの連絡にいそしむOLは多いだろうけれど。
むかしの情緒ある日本人たちに「むかしむかし」で乾杯。

●機内飲酒はほどほどに

リンドバーグみたいに、単独飛行ならかまわないだろうが(構うか^^;)、飛行機の中でアルコールを飲み過ぎると、気圧の関係で自分が思うより酔いが早く回るらしい。
喧嘩したりスッチーに怪しからぬ振る舞いに及んだりしてお縄になるよっぱらいも増えているようだ。航空各社もこの手の酔漢には厳しく対応するというから、こころしなくてはならない人もいるだろう。
それにしても国内航路ではドル箱(円箱か)のはずの
東京〜鹿児島航路でビールや焼酎のサービスがあってもいいと思うのだが、どうだろう。有料(500円)の缶ビールはあるから時には利用するけれど。全日空の国際線ではまだ刀KATANAを販売しているのだろうか。機内販売用のこの酒はパッケージが芸術的なまでに凝っていて、一度あけるとふたたびパッケージは不可能。
5/21は昭和2年(1927)、チャールズ・リンドバーグが大西洋無着陸横断飛行に成功した日。「翼よ、あれがパリの灯だ」とパリのル・ブールジェ空港に着陸した。飛行距離は5800キロ、飛行時間は33時間30分。のちにコンコルドは4時間で大西洋をわたることになる。

●なんの「封切り」だったんだか

昭和21年(1946)の5/23日本はじめてのキスシーン映画「はたちの青春」が封切り。朝からテレビドラマでチューチューやっている現代とは違い、可愛らしいもんだったらしい。監督は佐々木康、主演は大坂史朗と幾野道子。スチール写真でみるかぎり主役のふたりは、オジサンとオバサンだ。
いつの時代も初物好きは多く、連日満員だったそうな。さて、初恋の味といえば、カルピス(古い?)。「カルピスの造った酒」でも飲むかな。この酒をこんな蒸留器で蒸留すると、蒙古の蒸留酒ができるかも。え?そりゃあまずいって?

●巻頭の一首

外国の支配者達から見れば信じられぬほどの素朴質素な空間と心情を歌った歌である。
「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ」
天智天皇の御製。
藤原定家が纏めた「小倉百人一首」の巻頭に収めた一首。
文暦2年(1235)、5/27はこの「小倉百人一首完成」の日である。
天智の帝の御製では、万葉集の、
「わたつみの豊旗雲に入日さしこよひの月夜さやけかりこそ」
がことさらに好きである。いかにも万葉集らしき雄大で細緻な景色。こんな情景のなかで月夜を迎えつつ一杯やるのは素晴らしいだろうね。「海からのおくりもの」をロックでいただいた後には、「さつま白波」をお湯割りでいきましょうか。
それにしても、いまや店頭から「白波」も「黒伊佐錦」も消えたという。ブーム狂奔の愚かな浮遊感の極み。このことはダイヤメ日記の4/22に書いた。

●ヨン様もキムタクもあいてにならん

色男は世に尽きない。
だが、在原業平ほどのモテっぷりは史上に較べる存在がないほどである。
小野小町を含めて業平と枕を共にした女性は少女からバーさんまでその数3733人という(だれが調べた?)。
平城天皇の御子阿保親王の第五子で、在原姓を賜って臣籍に降下した。六歌仙・三十六歌仙のひとり。情熱的な歌を詠む容姿端麗なハンサムだったという。
元慶4年の5/28に没した。この日が、「業平忌」である。
韓国の業平、ヨン様に敬意を表して高句麗の薬酒「百歳酒」でも舐めましょうかね。

●世界禁煙条約締結の日まじか

仕事場のある新橋汐留エリアは、どうもタバコ呑みの群生が顕著なようである。しかも質の悪いのが多い。
歩きながらの喫煙は当たり前だし、火のついたタバコを振り回しながら歩いている野蛮人もいる。わが仕事場にもいる。梅沢クン(仮名)、宮上クン(仮名)、君らのことです。反省するように。
世界の喫煙者は10億1000万人。約5人にひとりが喫煙している勘定だ。新橋ではたぶん2人にひとりだ。
5/31は「世界禁煙デー」。平成元年(1989)、世界保健機構(WHO)が制定した国際デーのひとつです。
毎年300万人が喫煙が原因で亡くなっていて、このままでは2030年には死亡者は1000万人に至るという。まあ、なるべく気を付けて人生を養ってゆきましょ。「養老」をお湯割りでゆっくりと呑んでいれば長生きできるのは必定(ホントか^^;)。
喫煙者のみなさま、タバコを吸って死んでしまうのは勝手だけれど、火のついたタバコを子どもの目に突っ込まないように
え?「国際禁酒デー」ってのはないのかねって?
さあ、知りたくもありませんな。アラブにでも、お行きなさい。
禁酒デー、それなに?



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