(上燗)
(上燗)

●2008北京オリンピック、水は大丈夫?

初夏の爽やかな風が湿り気を帯びた重いものにかわり、季節が移ってゆく。梅雨の気配を孕みつつ雲の垂れこむ日も多くなる。
遠く南の海では台風が生まれ、やがて雲が切れると、太陽は次第に容赦のないものになってくる。夏の到来である。
水不足は二日酔いと同じである。そうなって初めて大変さがわかる。
そして二日酔いがもれなくそうであるように、雨が降り、ダムが水で満たされ、給水制限ってなに?という具合に問題が存在しなくなると次の「水不足」まで人々は記憶も関心も失ってしまう。

普段から水不足への備えを怠ることのないようにと、需要期をひかえたこの時期に、「水道週間(6/1〜7)を制定したのは厚生省。昭和34年(1959)のことである。
それでも二日酔いの苦しさに決して学ばないわれらノンベエと一緒で、水道週間の行事のおかげで水不足が回避されたというはなしなど、絶えて聞かないんだが。
のどごしが北国の清冽な水のごとき、「自然麦」をストレートで。次に「南泉」を。柔らかな味わいが際だつ。

○歴史認識、もっともであります。

わが国の幕末から明治の時代は、西洋列強の暴虐と狡知に立ち向かった歴史だった。
汗と知恵とそして血で祖国の独立を護って来たその歴史は大東亜戦争まで続く長い戦いの歴史だった。
奇麗事だけで平和は守れない。このことはご先祖さまだけなく、世界の歴史が教えてくれる。手をつないだり、歌ったり踊ったり、さらには集団で死んだふりをして平和が来たためしはない。明治の緒戦は「不平等条約改正」の戦いだった。
6月2日は「横浜開港記念日」である。安政5年6月19日(1858年7月29日)に調印された日米修好通商條約の規定によって安政6年、横浜港が開港された日。

この条約は、日本側にとって不利、不平等な内容の条約だった。犯罪を行ったアメリカ人を日本側が裁判できないこと、日本側が自主的に関税を定めることができない(関税自主権をもたない)ことなどあからさまに日本に不利な内容だった。
日米通商航海条約の発効1899年7月17日※日清戦争は1895年に終わっている)までこの屈辱は続いたのだった。 力によってなされたものを、先人達は汗と血とであがない返したのだった。
歴史というには生々しい近代史のことごとに思いを馳せながら、「山田の凱旋門」をお湯割で。杯はそらきゅうがいいかもしれん。

焼酎とカレー、これが結構いけます(^^;)

おなじ6/2は「横浜カレーの日」。横浜港開港のときにカレーも日本に入ってきたという説(だれか検証したのかな?)に基づき横浜カレーミュージアムが制定したもの。
焼酎がカレーに合うというのをご存知だろうか。甘口カレーと芋焼酎のビミョーなマッチングをお楽しみください。もちろん、お湯割で。原酒系でも直に燗つけしたものならオッケー。ただしキムチカレーや激辛カレーなどはダメかも。

遊就館を静かに見学する「時」を持つことの「大事」

明治12年の6/4は九段の招魂社が「靖国神社」に名称変更した日。全国の招魂社は昭和14年に「護国神社」となった。
外国の内政干渉に腰が引けて、「宗教性のない慰霊施設を検討」と官僚的方便に終始する政府高官もいる。そんな場所には英霊も参拝者も行かない。
士魂にかけて、「蔵の師魂」を一杯。よか名前の酒じゃっどなあ。

○芸人ともいえないタレントがあふれていますが。

女子十二学房とやらが大変な評判のようです。
めざましテレビ(CX)がごいごいと押したためか数ある渡来人芸人の中でも知名度は抜群。
それにただ可愛いだけのタレントと違い、音楽的にも素晴らしいものを持っているという。小生はむしろ胡弓など伝統的な楽器を使用して伸び伸びと古今東西の楽曲を演奏していることに感心して見て(聞いて)いた。
邦楽にももっと大胆な動きがあっていいと思う。
芸大の女子学生にも同じようなバンド(といっていいのかな?)が登場したようだが、プロモーションのうまい女子十二楽房の比ではない。6/6は「邦楽・楽器の日」。昔から芸事は6歳の6月6日から始めると上達するといわれているが、今ではちょっと遅いといわれるかもしれん。

●まっすぐうちに蛙の日、ではありません。

この日は「お稽古の日」であり、「かえるの日」でもある。かえる友の会の会員で、ファンタジック作家の矢島さらさんが制定。もちろん語呂合わせタイプ。け6け6・・・。
来年からは南さつま市と呼ばれてしまうことになった地方あたりでは、もう蛙の声が聞こえる季節かもしれない。どんこびっの饗演を聞きながら「扮酎」でもと思ったが、50〜60度と言う度数の高い酒であるので、ここは控えめに南薩摩の酒、「鷲尾」を一杯。もちろんお湯割りで。

●人生難得几回醉・・・

「少年老いやすく学成りがたし」というが、すでに老境に近いと言っていい焼酎のんごろにとって「時間」の貴重さを思うたびに唖然とするのである。するのであるが、すでに時遅し。
6/10は天智の帝が「漏刻台」つまり水時計を設置された日を記念した「時の記念日」である。中国や台湾製の腕時計が100円ショップで売られる時代であるが、時間の観念まで安売り安買いしてはいけない。「人生難得几回醉(人生は短い。飲める時に飲んでおきなさい)」とテレサ・テンも歌っている。往く時を惜しみつつ、「萬世」をお湯割りでごいごい。BGMはもちろん「何人君再来」。

●芸術といっていいのは、やっぱり和菓子

承和15年(848)、大陸は唐の時代。本邦は仁明の御代。
疫病沈静祈願に菓子を供えたことに因んで6/16は「和菓子の日」。この季節、そろそろ水菓子の欲しくなるころだ。水割り焼酎でもいっこうに構わないけれど(^^;)。
我愛吃甜的、毎天甜点心是少不了的」と美麗女史が白酒のグラスをごいごい空けながら言った。2004年4月の北京、某酒家。甜は甘いという意味、甜点心は甘い食べ物というほどの意味です。
毎日あまいものは欠かせないわ、と強い焼酎を干しながら言い切る彼女は「酒鬼(酒豪)」でもあった。

(下燗につづく)
王府井


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