「量り売りの効用」

平成15年12月15日


カミさんに付き合って買い物に出かけた、といっても小生の衣料を買うのだから、邪険に「どれでもいいから、さっさと済ませようよ」などとはまちがっても言えない。
シャツとネクタイを何とか選び終わって地下の食料品売り場に降りた。カミさんが買い物している間に習い性となった酒売り場の観察。さすがに焼酎の品揃えが昨年より数倍も増えている。泡盛も、芋や米、麦などの本格焼酎もずらりと並んでいる。
この頃はどこのスーパーでもデパートでも酒売り場はまるでミニ「焼酎オーソリティ」化している。ゴンドラの脇でビールの試飲を勧めていたマネキンのお嬢さんからニ杯もらってぐびぐび。その隣りで肉を焼いていたおばちゃんからも二串もらっておつまみに。ちょっとした時間をデパ地下で活用するのもいい。え?ただ卑しいだけだって?

芋焼酎の列を見てみた。
宮崎と鹿児島の芋焼酎が結構並んでいる。いちおう芋焼酎の陳列になっているはずだが薩摩乃薫と黒甕のあいだに樫樽熟成の黄色い麦焼酎が混ざっているのはご愛嬌、などと観察していて下の段を見て驚いた。
晴耕雨読に5000円近い値札が付いている。隣りのき六にも同じ値札。
以前新しくできたショッピングセンターの酒売り場でも同じような値札をつけられて並んでいた鹿児島の芋焼酎があったことを思い出した。その店にはいわゆるプレミアム焼酎などと呼ばれる希少銘柄もあり、ン万円という値段になっていた。正規にその店に対して出荷されたものでないことは明らかだ。

ブローカーの暗躍、なのだろう。
店先にやっと入荷した酒を並べると、あっというまに一種の臭いを漂わせた男たちが出現して買い占めて行く。本数を限定するとアルバイトを動員して大量に買ってゆく。不良流通の跋扈である。

業務店でも不良販売店でも先ほどのような価格をつけて売れば儲かるわけだから多少のコストをかけてでも根こそぎ買い占める連中があとを絶たないのは当然なのかもしれない。
その馬鹿らしい値札を見ながら、ブームの功罪の「罪」について考えてしまった。

ブローカー、不良流通の暗躍跋扈をどうすれば防げるか。
心配のある銘柄については、特約店での販売の基本スタイルを「量り売り」にしたらどうだろう。客は試してみたい酒を一升瓶の価格で数種類も買うことが出来る。お店との会話も増える。
量り売りでのリピーターが常連さんになってゆくにつれて顧客としての特性も分かってくる。さすれば求めに応じ店主の判断で一本売りも考えられる。

量り売りには他に売り手にとってのメリットもある。開封した酒をテイスティングすることができるのだ。
小仕込みの酒などは特に年々味わいが変化することもある、というよりそれが自然だ。その味わいをしっかり体で覚えることが、説明商品である焼酎を扱う店主や従業員にとって必要なことだと思うのである。

南星屋さんの量り売りについては、こちらに書いてます。

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