焼酎寸言

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    赤江灘  
...............................m落合酒造場 . ...........ok..宮崎市大字田吉348  (report 15.9.21)

さまざまな神事はまず修祓(しゅばつ)から始まる。
この時よみあげられる祝詞が「祓詞」である。はらえことば、と読む。この中に次のような一節がある。

筑紫 日向の橘の小戸の阿波岐原に
(つくし ひむかのたちばなのおどのあわぎがはらに)

この「小戸=おど」が転じて「大淀川」となった。鹿児島県曽於郡に源を発し、おびただしい河川を集めながら宮崎平野を遊弋し、日本三大灘のひとつ日向灘にそそぐ大川である。
昔は赤江川ともいい、日向灘を赤江灘とも呼んだ。
この大河川の河口、日向灘を臨む場所に明治以来の造りを継承する落合酒造場がその荒ぶる海に因んで名付けた常圧麦焼酎25度である。


すこし寒くなったらお湯割り本番。
それまでもつかな
(^^;)
この「赤江灘」の四合瓶は落合酒造場にお伺いした折りにいただいたもの。蔵元の落合一平氏が、「この酒を冬場に燗で飲んでみてください。素晴らしいですよ」と自信を持って勧めてくださった麦焼酎だ。冬場まではもちろん待てません。しかし、なにしろ連日35度の熱暑が続いていた時期、とりあえず生とロックで^^;戴いてみることにした。かぐわしい香りは銘柄名の由来となった荒海とは違い女性的なまでの優しさだ。だが香りの底にしっかりとしたこうばしい麦の存在が厚く沈潜している。香りをきいただけでここまで期待がひろがってしまった。
酒のせいか、飲兵衛の業というものか。
落合酒造場訪問レポートはこちらです。

■飲んでみた
「まろやかで美味しい」といえば一言で足りるかも知れない。
だがそれでは他の種々ある酒の印象とかわるところはない。造りの数だけそれに込めた感情がある。造り手がその情を投射したいのは飲み手の心である。他の人は知らず、酒の印象を文章で伝えんとすれば敢えて饒舌を忌避せずみずからの言の葉を感じたままに尽くしたい。
音楽を、噛みしめて飲むといえば荒唐無稽に聞こえるかも知れない。だがこの赤江灘の緩やかな旋律と言っていい味わいの変化はそう言ってもみたいほどの「一筋縄」ではゆかないしたたかさを持っている。まず常温下で生でいただいた。さきほど述べた香りの景色に違うことのない口当たり。香油を流した海面のようなゆたりとした波長。その海面の直下からゆっくりと沸き上がってくる麦本来の深く香ばしい味わい。優しさを纏った剛直が心豊かに残響する喉ごし。優れて質実に富んだ酒だ。燗付けして飲むと良いと仰った蔵元さんの言葉が、生でいただいた途端に身に沁みるようにわかった。ロックでいただいてみた。まろやかさが際だち爽涼たる飲み心地が強調される。さわやかな表情を見せる。次に5分のお湯割りでいただく。生のときともロックでいただいたときとも違う穏やかさが現出した。まさしく音楽を楽しむように飲むこと自体を楽しめる酒である。ゆるやかに、いつまでも飲んでいたいと思わせてくれる酒。笑っているようなこの赤江灘の明るい表情に、造り手さんの笑顔が被さってくるような気がした。

■ダイヤメ日記より
(15.9.11)

すでに零時半。落合さんの常圧麦、万膳さんの黒麹の芋どちらもストレートで。
飲み<応え>があるというのはこういう酒のこと。しみじみ旨い。


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