焼酎祝言

「酒亭」入り口
「ひるね蔵」ホーム
掲示板
蔵・焼酎リスト
焼酎寸言目次

s 荒田八幡宮御神酒
..............荒田八幡宮     鹿児島市鹿児島市下荒田2丁目7番21号


宴会参加者による争奪戦の結果、ただの一本だけ確保したもの。もったいなくて飲めません。
「いろいろ詰め合わせて送ったよ〜」とY氏の声が弾(ハズ)んでいる。このごろ彼の働く蔵へ多くの見学者が殺到しているらしく、その応対で大変だと聞いていた。大変だと聞いていたのにムリを頼んだのには訳がある。
「宴会でのナンコ大会用賞品・グッズをなにかチョーダイ」という、
飲兵衛からのとんでもない依頼に応えて、蔵の倉庫を探していただき、くさぐさのよきもの、めづらしきものらをお送りいただいたのには本当に恐縮したのだった。
その宅急便の中には、
ナンコ用の棒のセットや、タオル前掛けなど実にいろいろなものが詰め合わせてあった。倉庫の隅で、巨体を縮めて小包を作ってくれた彼の姿を想像して、千人針を戴いた出征兵士の真情もかくあるかという、感涙抑えがたき感動を覚えたのであった。
この小さな包みの中には
真心がこもっている!有り難いことだ。彼に蔵元としてではなく、一人の健康な青年として幸せな未来がひらけんことを!とつい包みの前で手を合わせた。
そして、その包みにはいっていた
「荒田八幡宮」の御神酒にあらためて祈願したのである。彼が出張で上京してくるおりに百回ご馳走するより、このほうが心のこもった返礼といってよかろう。うん、きっとそうだ。きっと喜んでくれるはずだ。たしか「彼女いない歴」はかなりの年月になるはずだ(と、思うのだが・・・)

造りの期間は蔵で汗みづくになって
働き抜く。シーズンオフは全国を営業して歩く。懸命に働くかれに、遊ぶ時間はない。彼女を作る余裕などあろうはずはない。彼の巨躯と穏やかな風貌に、ちらと憂愁の影が時折宿るのはそういうことなのだろう。
御神酒でお茶を濁すのではなく、どっかお社に詣でるか・・・と思っていたところだった。電話の向こうの声が、妙に明るい。弾んでいるというよりむしろハイになっているといったほうがいい。どうしたのか?
「忙しそうだね〜」「もう、お客が大勢いらっしゃるのでね」「酒屋さんばかり相手してないで、たまには女の子とでも話したら?」「いま、女の子と話しているのですよ」「え?」「もう、毎週のように若い女性たちが見学にやってくるのでね〜」「は?」「このあと観光スポットを案内して、夜は市内(鹿児島市のこと)に出て合コンするんです」「え〜?合コン?」「もう、よりどりみどりちゅーか、へ、へへ」
・・・彼に天佑神助があらんことを。


(この物語りは創作です。似た方がいらしても、関係はありません。)

中味は晴耕雨読

■飲んでみ・・・ませんでした
もったいなくて、開栓できません・・・。
 

「酒亭」入り口
「ひるね蔵」ホーム
掲示板
蔵・焼酎リスト
焼酎寸言目次

(c)hiken@2002.4