焼酎寸言

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s さつま白波黒麹仕込み
..............薩摩酒造協業組合     鹿児島県枕崎市立神本町26 

「黒白波」と略称するとなんだか語呂がおかしいけれど、正確に言えば「さつま白波の黒麹仕込み」である。

「白波」は誰がなんといおうと鹿児島の芋焼酎の代名詞だ。市内を走るチンチン電車で中学に通っていたころ、天文館かいづろ通りだったか、ひときわ鮮やかなネオンが暮れゆく夜空に白い波を輝かせていたのを覚えている。
思えば、あのころ、あのネオンの下の飲み屋街で、夜毎にオダをあげていたであろうオヤジたち。そのノンゴロたちの姿とわれわれのいまの姿がオーバーラップして、「時代」は酒あり飲んべえありてまさに「時代」なのだなあとしみじみと思う。白波のロゴの向こうに、時間と距離を超え、ふるさとへの想いが一瞬煌めいて、翔けた。


昔ながらの白波とは違うといっていい酒質だ。ふくよかで甘い。

■飲んでみた
この酒、まことに、うまい。味わいは豊かで濃く、噛みしめるほどの醇な厚さをもっている。だが、馴染んだ味の白波とは違う。同じように芋らしさを濃醇に表現している他の酒とも違う。余裕でうまさを出しているという感じだ。抑制したそして計算された味わい。さすがだが、なにかが足りない。池波正太郎さんの言葉を借りれば、善だけで悪が見えぬ、というところか。「森伊蔵」より遥かに存在感があり美味しいが、「不二才」の激しさは見えない。チカラが充溢しているが、暴れん坊では決してない。そんな印象。華やぎすら感じるふくよかさが重量感をまとい、たとえようのないコクとなって骨に滲みてゆく。この酒、岩礁に打ちつけ砕ける白い波ではなく、ゆったりとうねり流れて行く南海の海流にたとえたい。ストレートでも、お湯割りでも、ロックでもどのような飲み方にも余裕でこたえる弩級の酒だ。この「黒白波」、原酒で出してくれないものだろうか。この焼酎の45度はどんな世界なのか、無性に見てみたい気持ちとなった。
 

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