焼酎寸言

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薩摩の薩摩 不二才 
佐多宗二商店      鹿児島県揖宿郡頴娃町別府4910番地 0993-38-1121

「ぶにせ」と読む。よかにせ=ハンサムの反対語だ。芋本格焼酎25度。
杜氏は黒瀬矢喜吉氏。平成12酒造年度鑑評会優等賞に入賞。

原材料には「さつま芋(コガネセンガン)・米麹」とあるが、ここに「からいも魂」とつけ加えたいと思うのは、秘剣だけだろうか。
この焼酎のラベルは、酒の存在感を極めてコンセプチュアルに表現している。
黒いラベルに墨の書き文字で「不二才」と白い影の中に浮かびあがらせ、その横に黒色とは危険なマッチングをする色である赤地に白く「薩摩の薩摩」と抜いてある。そして、極めつけは、さらにその横にかいてある(しかも薩摩弁で)「こん焼酎(そつ)は圏外人呑むべからず」というコトアゲコピーだ。芋くさくて、たまらんぞ、県外の連中にはわからん旨さなんだぞ、そういう武張った姿勢を正面に打ち出している。薩摩の誇りの裏返しだ。

■呑んでみた
昔の味と香り(あの強烈な香りが、子供の頃の大人のにおいだった)が甦る。鮮烈なくちあたり。爽やかなのどごし。辛いふかみ。そして底の方から立ち上がってくる、芋の旨味が、なんともコトアゲとは逆の優しさを見せてくれる。
平成13年2月18日に開催された「蔵元さんと語る会」(からいもの里主宰)で、ここの蔵元さんといろいろお話する機会があった。さつまいもの下拵えや仕込みなどいろんなお話を実に楽しく聞かせていただいた。そのときにこの不二才の「ハナタレ」が出ます、ちょっと試飲してみますか?とわたされたグラス。したたかに「薩摩の薩摩のからいも魂」とでも表現したくなる味わいだった。
■2001鹿児島酎行紀より
次に「不二才」の原酒をいただく。
不二才の担当である宮崎さんが「さあ、どうぞ」とカップを差し出してくれる。立ち上がる香りの馥郁たることには言いようもない。
剛直なのにまろやか。
骨太の優しさと言っていい。
薩摩隼人を酒に写すとまさにこうなるのだろう。

不二才の原酒タンク。波打つ天国だ。
■ダイヤメ日記より
(13.9.8)
不二才の美味しさに今夜は瞠目した!この酒は生でいただき、次に水割りでいただいた。芋香の芳醇さがこうばしいひろがりを見せながら、じつはズンと五感に響く。実質のある酒だ。なんといっても、美味しい。そして繊細なまでの味わいがその剛直な骨格 の周囲に浮遊して、飲んでいて楽しいと感じさせてくれる。舌が歌う。ノドが鳴る。まったくたまったものではない。薩摩の魂とは、こういう酒をいう。
(13.9.15)芋に転じると、これがとたんに饒舌な華やいだ世界に変化する。不二才をもってしてそうだから、芋の歌うような甘さには感嘆するしかない。圏(県)外人飲むべからずとコトアゲする不二才は、「妙圓寺詣りの歌」か「神々の黄昏」か「青年日本の歌」をBGMに流したいような酒。うま〜い!(^^)

■ラベル補足 
この焼酎の裏ラベルには、こんな戯れ歌が書いてある。
「わたしゃ薩州薩摩のブニセ 色は黒くて横這いのコジックイ 体ゆすぐって肩怒らせて 大道せましと闊歩する 今はこげんしてカライモ喰っておって 大言壮語ぬかしちゃおれど やがちゃ天下を跨バイにひっかけ 足で政治を取ってやる」
(敢えて通訳しません(^-^;)
そして、ラベルのどこにも
「本格焼酎」の文字がない。焼酎乙類、と明記してある。ここに「そいがどげんした!甲類ち、な〜んね!」とのコトアゲ姿勢が伺われるのも、嬉しい。

 

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