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薩摩酎行紀2002秋
2002年9月。例年になく早い芋焼酎の造りが始まろうとする鹿児島に行ってきました。

以下が、てげてげコンテンツの内容です。

・プロローグ
・のんかた
・東市来から出水へ〜雲海酒造鹿児島工場(新屋記念蔵)
・大口から菱刈へ〜郡山八幡神社、大山酒造
・大隅縦走〜大海酒造、万膳酒造
・エピローグ〜仙巌園(島津別邸磯庭園)

■プロローグ

◇「内外のうかぜ(台風)」

「なに?夏休みだって?カバもいい加減にしたらどう?もう九月よ、あんた」
上司のK女史、早朝会議で役員に怒鳴られでもしたのか機嫌が悪い。休暇を申請したら台風のように荒れ狂った。
し、しかしですね、就業規則では9月までの間に
日間の夏休暇が取れると・・・そう言い返すと、K女史、「何をシロウトみたいな。まあ、あんたがいなくても別に仕事に支障がでるわけじゃないからね、やすみたけりゃ、やすめば。ず〜っと休んでもいいわよ」
その言葉が終わらないうちに小生、ふところに忍ばせた合い口、いや、休暇届けを彼女のデスクの上に置いてさっさとその場を離れた。これでもうこっちのものだ。

「ちょっと早いけれど、一軒寄ってから直帰するよ」同僚にそう言うと、
「焼酎、買ってきてくれよ」
「ワタシにはつっきゃげ〜」
「しろくま、ってのを送ってね」
・・・・・・強欲な連中に天罰を。聞き流して仕事場を出た。

この時期に夏休みを取るには訳がある。全日空の超割が取れたからだ。そう、片道1万円。往復で2万円という奴である。正規料金だと往復6万円にもなる鹿児島空路だ、最貧給与生活者にはとても支払える額ではない。スケジュールが超割に合わせてキマルのは当然といえよう。
だが、赤坂の日本旅行社の窓口嬢は冷たく言った。
「欠航なら払い戻しますが、ほかには変更は一切出来ません」
「え?台風で欠航したら次の便でということは・・・」
「正規料金をお支払いいただきます」
「・・・・・・」
ということは、うかぜ(台風)が吹けば、髪の毛同様に薄さの極みともいうべき財布の中身が吹き飛んでゆくということだ。冗談ではない。とんでもないことだ。それゆえ、超割が取れて以来、台風退散を神様仏様に祈り続けたのだった。
さらに南薩摩にその人有りと知られる「うかぜ払い守護神」こだまさんとその関東在住のご友人様たちにも、もしうかぜ襲来を止めていただけるなら「御神酒」を惜しむものではない、きっと現地薩摩から焼酎御神酒を献じるでありましょうと約したのである。

そして、出発当日の8月31日、台風15号が襲来した。
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