焼酎寸言

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 海からの贈りもの
...........大海酒造 .okin 鹿児島県鹿屋市白崎町21-1  .........TEL0994-44-2190

毎年、7月20日の「海の日」に発表される、大海さんのコダワリの芋焼酎である。
杜氏がその年の最高の酒をエイジングして出す、これほどの、じつは造り手にとっても、飲兵衛にとっても嬉しいことがあるだろうか。
この蔵元さんは<海>を酒だけでなく、蔵のコンセプトにしているのではと思えるような作品を出している。まさにそのもののネーミングである「海」、そして「海王」、また、「くじらのボトル」、そしてこのエイジングを明記する「海からの贈りもの」などだ。蔵のレギュラー酒である「さつま大海」はいうまでもない。
大隅半島、鹿屋の蔵で、海に翔る浪漫と、造りへの情熱が交響して、この海色のボトルが発表されるようになったのはいつからなのだろう。詳細は知らないが、実に楽しみであり、また素晴らしいことだと思う。
写真は、「海からの贈りもの2000」
1999とはかなり味わいが違う酒だ。ことしの2001はさらに味わいに深さがあり、まるで酒がシンフォニーを奏でているようである。
「この焼酎は、外国の人にも喜ばれるんじゃない?」とカミさんがつぶやいた。
■飲んでみた
ことしの「海からの贈りもの2001」は、カミさんのセリフじゃないが、ホントにスマートな酒だ。39度もあるのに、ちっともアルコール特有の刺激を舌に感じさせない。まろやかにして優雅、そして清冽である。これは2000版からも流れとしては同じようだけれど、今年の酒はちょっと違う。そんな気がした。じつは、こういう飲兵衛の反応こそが、造り手、送り手として「エイジング」の酒を造り発表する醍醐味なのだろうと、つい思ってしまう。

「外国人にも・・・」というカミさんの感想にはじつは小生も考えるところがあった。
鹿児島の(そして九州全域の)本格焼酎は、世界を市場とするだけのポテンシャルを十分に持っていると思うのだ。
昨年(平成13年)のいつごろだったか、シンガポールの伊勢丹で、「鹿児島フェア」が開催されたおり、南薩のある蔵元さんが「芋焼酎」の展示アピールをされたことがある。並べられた芋焼酎に、外人が興味を示すのに比べて、現地大使館に勤務する害務官僚の奥様とか、駐在瀟洒マンの奥方たちは、「鼻をつまむようにして焼酎のコーナーを通り過ぎ、奥のワイン売り場へ向かって」行ったのだそうな。はっきりいって、カバである。自国の歴史文物に誇りを持つどころか、知ろうともせず敬遠するのが「選民意識」の裏返しなのだろうか。日本では著名ソムリエまで、「実は本格焼酎のほうが・・・」と白状しているというのに。

そんなよかぶいごろ(=ええかっこしい)連中は放っておいて、これから、もっと外国人に焼酎の良さをひろめてもよいと思う。
食文化に関しては我が国は(政治屋や害務官僚などと違い、国際的に互してゆける)充実した歴史と実質をもっている。誇るべき歴史と酒を持っているのだ。まったく素晴らしいことだと思えてならない。世界に様々な蒸留酒があり、その酒の文化があるけれど、わが本格焼酎の、そのありかたは、もっともっと誇り高く歌い上げてよいものだ。
ニューヨークで、シドニーで、オークランドで、そして上海の高楼で、海を見下ろすラウンジのテーブルに、鹿児島の焼酎がごく普通にサービスされる日がいつかはくるような気がする。

(平成14年7月20日「海の日」に記す)

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