焼酎寸言

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  風 憚 (ふうたん) 
.........................吹上焼酎      鹿児島県加世田市宮原1806番地      (report 15.4.5)

カミさんの友人である友禅作家のK女史から拝領した酒。先日の個展にちょっとだけ協力させていただいたのだが、そのお礼にとお届けくださったもの。加世田の蔵が造るこだわり焼酎だ。
加世田の地はこの吹上焼酎のほかに、宇都酒造、万世酒造そしてここを墳墓の地とする本坊酒造の津貫工場がある、まさに焼酎の里といっていいところである。
清酒「大関」の資本も参加して都会を見据えた焼酎を造る吹上焼酎だ。そのこだわりは麹と芋。
稀少種という栗黄金を原料芋とし、黒麹で仕込んだと栞にある。この蔵には同じ原料で仕込む「かいこうず」という銘柄もあるけれど、こちらはまだ未経験であり、どう違うのかはわかりません。
それにしても「風」という銘柄名にはどんな意味があるのだろう。裏ラベルにも何も書いてない。気になるとそのままにしておけないB型特有の性格故、ちょっと調べてみることにした。(蔵元さんに聞けばすむことかも^^;)

地元の焼酎伝道師、にっしーさんの吹上焼酎レポートは必見です。

」ははばかると読む。手元の辞書には、
<さしひかえる。遠慮する><障害にあって進むことをためらう>
<はばをきかせる。大きな顔をする>
・・・・・・などとよく使う用法とともに説明があった。「憎まれっ子世にはばかる」なんて使いますね。
ふむ、風がはばかっている・・・・・・?
辞書の最後の説明に、<いっぱいに広がる>という様子を意味すると読んでこの銘柄名の由縁に到達した(ような気がする)。東シナ海から吹き寄せる激しい風が吹上浜いっぱいに広がっている雄大な情景をイメージしたのだが、さて当たっているのだろうか。

■呑んでみた
まず生でいただく。香りが見事に抑制されていてゆっくりとそして微かに響いてくる。この酒、熟成の丁寧さが際だっているような気がする。表面の派手さもない。アピールする声高ななにもない。だが、静かに沈むうま味の厚さはただものではない。緩慢と言っていい香味の立ち上がりには剛直なまでの「薩摩」を感じる。グラスを重ねる。吹上の浜に満つ疾風とそれに立ち向かって怯まない地のひとびとを重ね合わせて味わっている自分に気がつく。次にお湯割りでいただいた。剛直さがふと笑った。緩やかな表情のなかに生でいただいたときに感じた熟成の香がさらに広がってきた。古酒のヒネ香ではない。しっとりと沈んだフルーティな味わいは桜井さんや白石さんの熟成酒に一種共通するものがある。どのような飲み方にも余裕で応える酒だと思うけれど、水割りかロックでいただくとこの酒の豊かな表情を最もよく感じることができるかもしれない。


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