焼酎寸言

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 御神火 むぎ焼酎
 .........谷口酒造 ..... .............東京都大島町野増字ワダ    04992-2-1726
芋の本格焼酎を造る蔵が、東京都にあるということがあらためて新鮮に思える。八丈、大島、青ヶ島・・・。丹宗翁以来の伝承なのだろうけれど、サツマイモの生産が減少しているために今では麦焼酎の製造が主流になってきていると聞いた。
谷口酒造の酒との出会いは実は芋焼酎が最初である。麦麹で仕込んだ「いも」焼酎。不思議な味わいだったと、その時の驚きを記憶している。次に戴いたのが「凪海(なぎうみ)」だった。薫りのよい、キメの細かな味わいの麦焼酎だ。熟成を感じさせる重みが底の方にあり、凪の海の広い深い存在感を髣髴とさせる酒だった。谷口さんの酒には微かな甘さが風のように流れている。
谷口酒造のホームページ、「御神火」にはネットで販売している焼酎の説明コメントが、若い杜氏さん自身の言葉で書かれている。
その中に、3年古酒を最初に飲むと、もう他の御神火は飲めなくなります・・・とあった。
あーよかった。先日購入してきた「御神火」は、写真の「麦・スタンダード」タイプ。島の人が普通に買ってきて普通に呑む焼酎だ。地焼酎こそその蔵の味だという気がするのでこれは嬉しいことだった。もちろん、その「3年古酒」と、杜氏が飲みたくて造ったという(そそられる言葉ですね^^;)「平兵衛」をネットで注文したのはいうまでもない(^-^;)
2〜300石位を造る蔵だろうか。一人で丁寧に造りを継続するにはその位の造石高が限界なのだろう。造り手の個性や考え方がキチンと投影された酒には、マスプロのプロダクトにはあり得ない手の温もりを味わえる。それこそがその酒と蔵の「理由」であってよいのだと思えてならない。
薩摩の蔵でも同様だが、造り手には3つの視点があると思う。自分の造る酒、その酒の飲み手、そしてその酒を扱う酒販店。大切なのもその順番かと・・・・・・。(飲んべえのタワゴトですが・・・ ^-^;)

■飲んでみた
生でいただいた。凪海同様の微かな甘みと涼やかといっていい薫りがここちよく交響する。ちょっとだけ水で割ってから黒ぢょかに入れ、ゆっくりと燗をつける。やや熱めの御神火を小振りの盃でいただく。強いアルコールの刺激を感じることもなく、穏やかな味わいが広がる。エッジのないまろやかな味わいの向こうに、この酒を日常の晩酌酒として愛用する島民の笑顔が見えるような気がした。

■ダイヤメ日記より

(13.12.22)
御神火をちょっとだけ水で割ってちょかにいれ、ストーブに載せていたのだが、油断して沸騰させてしまった。谷口さん、すみません。
燗つけをやり直して、ちょっと熱めのをいっぱい。だんだんと温めになってくるときに、この麦焼酎の優しい味わいがゆっくりと心地よく響きはじめた。
村尾さんの「むんのら」が一見静かな波の下に秘めた老獪な荒技とすれば、御神火は造り手そのままの真っ直ぐな味わいだろうか。
切り子に注いで生(き)でやるのもいいが、ちょっとだけ割って温めの燗をつけていただくのが美味しい。まあ、どの焼酎でもそうなのだが、飲み手の体調や気持ちによって味わいが変わるのはよくあること。刀の刃を研ぐような気持ちで盃をとるのとカウンターにひじをついて行儀悪くだらだら飲むのとではやはり味わいに違いがでるだろうな。
自分的には後者が好きですが・・・^^;

 

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