焼酎寸言

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s 春 雨
..............宮里酒造 .oki沖縄県那覇市小禄645番地  (TEXT改訂15.8.2)

「古くてラベルがはがれて、純米製という文字だけが読める瓶が二本出てきたから、一本送るよ」と仰ってくださったのは、薩摩の酔船さん。「え?古い=古酒=まさか鹿児島だから、清酒というんじゃないだろうし・・・」と、いただきものに関しては自慢ではないが、小生、仕事とはちがって決断ははやい。「酔船さあ、そいはよかろそぢゃっどなあ。おくっくいやんせ」ずーずーしくお願いして送って貰ったのは、じつはこの春雨ではない。王冠にかすかに残る文字を判読してしらべたら、瓶内熟成を28年間果たした「瑞穂」だったのだ。
水で割っても堂々たる風味に微塵も揺るぎがない。ストレートで飲んでも、度数を感じさせないやわらかさ。
酔船さんが送ってきてくれた「瑞穂28年」はなんとも言えずまろやかな美味しい古酒だった(^^)/瓶こそ傷だらけでラベルは剥がれてしまっていたけれど、中味には芳醇な古酒がたっぷり詰まっていた。そういえば、「焼酎楽園10号」でも一升瓶のまま熟成させている情景が掲載されていた。その次に飲んだのは、沖縄県酒造組合のホームページでプレゼント企画に当選していただいた「南風」だ。これも薫りの爽やかな酒だった。な〜んだか、貰ってばかりだ(^^;)
さて、最初に言っておくと、この「春雨10年」も、じつはいただきものです。平成14年5月12日に渋谷で開かれた「焼酎の会」(伊勢五酒店主宰)に伺ったとき、テイスティング用の酒で余っているのをご自由にお持ち帰りくださいとのアナウンスを聞き、0.2秒くらい躊躇ったのちにこの「春雨」を宮里氏の眼前で戴いたのである。氏とお話ししながら試飲して、この酒のすばらしい味わいについ目が眩んでいた。
■飲んでみた
う〜む、うまい!この酒はとてつもなくうまい。
穏やかで甘くて、香ばしいあじわいの深さ、厚さはどうだろう。ストレートでいただいたのだが、口中に残る、強さの残滓、余計な刺激というものがない。口に含んでも、軽く飲み下しても、上品な優雅さといっていいほどの味と薫りの開花を見る反面、強さだけの度数を感じない。この「春雨」の酒力のつよさは、泰然としているが芯の強靭な沖縄の人々をそのまま表しているような気がした。この蔵はとても研究熱心で、様々な条件でどのような味わいが得られるのかを丹念に記録し分析し、経験だけからではなく、データでそれを確保しているときく。弛まない熱心な姿勢がこのすばらしい酒を産んだのだろう。
ストレートではもちろん、割水して冷やしても、ただの水割りでも、おいしく戴ける酒だ。ゴーヤ料理はもちろん泡盛の美味しい肴だし、じっくり泡盛で煮込んだ「らふてー」があれば、もう最高。
■ダイヤメ日記より
(15.8.1)自宅でのダイヤメは泡盛古酒。カミさんと友人の友禅作家女史がもうひとりのガラス造形作家氏と一緒に作品展を(ささやかに)開いた。その告知リーフレットの作成に協力した「お礼よ」と、カミさんからプレゼントを貰った。包みを開けると「琉球からから」だった。壺屋の福田健治氏製作。壺屋には沖縄返還の時期にしばらくいたことがある。激しいスコールが巻き上げる土の香りの濃さとともにはるかな昔の記憶が鮮烈によみがえってきた。遊里の灯り、クルマを飛ばして行ったコザ十字路の夜、名護湾の群青、南部戦跡の風、さまざまな思いをグラスに映してクースをいただいた。琉球ガラスのグラスには氷をひとかけら。からからにはストレート(30度)の春雨。ゆっくりといただいて気がつくとすでに深更・・・・・・。

 

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