焼酎寸言

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s 一人蔵
..............木場酒造     鹿児島県曽於郡末吉町諏訪方8881-2 0986-76-2383

諏訪方から国道269号線を数キロ北上するともう宮崎県境である。都城市まで約8キロ、都城は他県の町というより、このエリアの核都心といったほうがいい。。諏訪方から国道を都城とは逆に、まったく同じ距離だけ行くと、大隅町岩川という町がある。この町は秘剣の生まれ故郷。八幡神社で遊んだことや、弥五郎どん祭りのことなどいまでも鮮明に思い出します。
この大隅の地にひっそりと杜氏ひとりで造っている焼酎がある。杜氏の個性を濃く反映したその芋焼酎「丹宗」は、通ごのみの酒として知る人ぞ知る銘柄だ。その木場酒造からでた新しい焼酎が「一人蔵」である。
年間300石ほどの造石量の蔵だ、多品種展開を経営戦略として打ち出してゆくというような大規模な蔵とは違う。造り手の焼酎に対する考え方や技、個性が色濃く反映されるのがこのような小規模蔵の特性であり、その独自性こそが強みになるのだと思う。この故郷の蔵であたらしい焼酎が産まれたというので、さっそく試してみた。

生まれたての大隅の酒。大木にそだって欲しいものだ。

■飲んでみた
栓を開けたとたんに濃醇な香りが鼻腔を充たした。つい溜息がでて顔が緩んでしまう。
嗅覚への刺激で味わいへの予感と期待がつのることはよくあるが、この「一人蔵」の香りの深さ鮮やかさは半端ではない。
まずは生でいただいた。驚くほどの口当たりのよさ、やわらかさ。そして、その上質のサーフェイスの下からやがて確固とした個性がたちあがってきた。やわらかいが甘きにすぎるということもない、もちろん辛口というのでもない。うま味を響かせながらゆっくりと飲み手にあじあわせてくれる、そんな感じと言えばよいだろうか。
つぎにお湯割りでいただく。
芋が湯気と共に主張し始める、ということもなく、一瞬大河の流れをおもわせる深さとひろがりがあらわれた。ゆたかな味わいだ。そして意外だったのは、ロックでの一杯だ。氷と馴染んだ「一人蔵」には、玄妙な「甘さ」が出現した。う〜ん、実にうまい!
強い存在感と個性を持ちながら、飲みやすくうま味の余韻の長い酒だ。生でちびちびもよし、お湯割りでも満足。ロックでの甘さは特筆しておきたい。
芋焼酎の本質をおさえながら、都市市場にもアクセプトされる、そんな味わいに仕上がっている。そのなかに、この蔵の杜氏の個性が手堅く感じられる焼酎といえようか。

故郷大隅に、あらたな「よか焼酎」が誕生した。

 

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