焼酎寸言

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    知覧 ほたる  
...............................m知覧醸造 .okin  鹿児島県川辺郡知覧町塩屋24475  (report 15.7.20)

大東亜戦争末期、特別攻撃隊の出撃地となった知覧で特攻悲話に因んで造られた酒。
鳥濱トメは「富屋食堂」という軍指定の食堂を営んでいた。連日隊員達がやってきては故郷のこと、心のうちなどを話したりしていた。ほとんどが10代〜20代前半の隊員たち。彼等にトメは母親のような気持ちで接していた。ある日、出撃を明日に控えた宮川三郎軍曹がこう言った。「おばさん、僕はホタルになって帰ってくるから・・・夜の9時玄関からくるから・・・中に入れてね」と。
宮川軍曹が出撃したその夜、玄関からホタルが一匹舞いこんできた。トメがそこにいた少年兵達に「あれは、宮川さんだよ」と教えた。彼らは皆で同期の桜を歌ったという。

ほたる火と なりてきませう つはものを なこしまつらむ けふの祭りに

知覧町「特攻平和会館」のホームページはこちらです。
「・・・・・・すべきだ」という言い方は大嫌いだけれど、言う。一度は「知覧特攻平和会館」に行き、朝鮮・台湾出身者を含む千余の御霊を偲び慰霊する時を持つべきと。思想の左右歴史観の違いなど問題ではない。
ラベルデザインは鳥濱トメさんの孫である鳥濱明久さん。知覧醸造の森さんはこの酒の販売利益から知覧町特攻英霊顕彰会に寄付をされているとうかがった。全量薩摩産の甘藷を使用し、黒麹で仕込んだ芋焼酎25度。なお加世田の焼酎伝道師にっしーさんのレポートは必読。ここから復元された富屋食堂の記事もごらんになれます。

■飲んでみた
独特の、といっていいほどの香りがたつ。いま流行の黒麹の酒に共通する「渋さが変じたこうばしさ」とは別の香りそして味わい。むしろ一種柑橘系といっていい鮮烈さが香味を満たしている。エステルの香に蒸留の工夫もあるのかと感じるほど。手をかけた造りだ。個性的だが一種独特の癖がある。ロックではその鮮明な味わいがやや穏やかな表情に変わる。お湯割りでいただく。ふたたび個性が膨張する。取っつきにくいが味わい深い。癖になりそうなほどの明朗な香味が緩やかにそして激しく立ち上がってくる。飲み応えあり。造り手の気持ちが何層にも重なって味わうほうの軽薄を許さない。まことに味わいの深い酒である。

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