焼酎寸言

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加江田
落合酒造場  宮崎県宮崎市大字鏡洲字前田1626        report 2011/1/19 
「美味い焼酎には何度も出会ったが、感動する酒に出会ったのはしばらくぶりだ。」元国税局鑑定官の上田先生ならそう言うかもしれない(注1)
紫優(むらさきまさり)の魅力をいかに引き出すかが全てですと蔵元は言う。この蔵には紫優を原料芋に使う焼酎が他にもいくつかある。平成16年に、その最初のひとつ、芋焼酎「赤江」を寸言に書いた。蔵は当時宮崎市大字田吉という場所にあった。日向灘にのぞむ立地だった。日向灘を赤江灘とも呼ぶところからの命名だったのだろう。
2007年春、落合酒造場は清流で有名な鏡洲川(かがみずがわ)のほとりに移転した。この加江田はこの新工場で生まれた。そこは水と緑の景勝地である「加江田渓谷」にほどちかい立地だ。この酒の故郷の名が酒の名となった。

(注1:上田久氏は『夏子の酒』に登場するキャラクター^^;)


■「紫優」の魅力が最大限に凝縮している

まずは生で味わった。
開栓すると、華やかなそして柔らかな芳香が漂う。紫優のもろみが見せる華やかな色合いそのままだ。
以前、「赤江」の寸言に、「艶の在る酒」と書いた。この「加江田」には艶に加えて芋の深い旨味が凝縮している。香味を喩えるのに相応しくないかもしれないが、「重み」といっていい存在感がある。
涼やかな口当たりに一瞬惑うが、やがて量感のある旨味が響きだす。のどごしは充分な満足を残してしかしきりりと切れてゆく。余韻が長く続くのは気持ちの満足と交響しているからに違いない。
次にお湯割りでいただく。
若干温めのお湯をグラスに入れ「加江田」をゆっくり注いでゆくと、香りが思いのほか静かに立ち上がる。人肌ほどの温度になったときに、この酒は「膨張」する。口の中でゆっくりと膨らんでゆくのだ。味わいは生のときとは違うしたたかさを持って飲み手を唸らせる。芋の味わいが断固たる勢いで迫ってくる。なんという酒だろう。
次にロックで・・・と言いたいところだけれど小生はお湯割りでこの酒を満喫してしまった。
どんな飲み方でもこの焼酎は美味しく応えてくれるに違いないけれど、あえて言えばお湯割りに勝る飲み方はあるまいね。

 
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(c)hiken@2011.1.19