焼酎寸言

「酒亭」入り口
「ひるね蔵」ホーム
掲示板
蔵・焼酎リスト
焼酎寸言目次

 (かんがこい)
...........豊永酒造 .okin  熊本県球磨郡湯前町老神1873

ラベルを見る
非常にシンプルな4センチ角のちいさなラベルに「完」という字が日本の伝統色「浅蘇芳」を白く抜いている。
みごとなグラフィックだ。
全麹仕込と、黒ベタ白抜きでショルダーにあるのが、造り手の自負心の強烈さを顕しているようだ。
だが、囲いの枠が完結していないのは、この写真からもご覧になれるだろう。
現状に甘んじることのない、謙虚さがここには伺える。
職人の粋がこの小さなラベルいっぱいに凝縮されている。


熊本のガラは持っていないので、北薩地方で使用されていた「からから」とあわせてみました。
我が家の近く、雪乃屋木暮酒店で購入したもの。
このお店には岩倉さん、黒木さん、古澤さんなど宮崎の蔵元さんの酒や、田村さん、佐藤さん、高良さんといった薩摩の蔵の焼酎も置いてある。
大きな酒屋さんグループに加盟してはいても、この店では、若い店主が自分で九州を旅して蔵元さんたちとコミュニケーションしているという。
「顔が見える」「造りを知る」のが、これからの酒販店(のみならず業務店)としても大事なことだという方は多い。そして蔵元を巡行するのは確かに大変だ。それでも毎年多くの酒屋さん、業務店さんが九州を訪問するのは、自分の扱う商品をきちんと理解したい、お客さんに伝えたいという真摯な気持ちからだろう。
われわれ飲兵衛としてはそれがまた嬉しいものではある。

■飲んでみた
米焼酎の美味しさを本当にはまだまだ理解していないと自分でも思う。だが、時に球磨の酒を飲み、一種峻烈な骨格を味わうときに、複雑な香味が綾なす芋焼酎との違いを納得するのだ。この酒はショットグラスで生でいただくことが多い。ゆっくりとした甘みを持つ酒だ。おなじ米でも琉球の泡盛はまた全然別の風味となる。酒がいかにも様々な表情を持つのは、原料、製造方法の違いを越えて、その土地の水、大地、大気すなわち人とその暮らしに由縁するものでもあろうか。先日渋谷で開催された伊勢五さんの会で短い時間だったが、豊永さんと話した。静かな中に「豪」がある。その人柄をハッキリと写しだしている、そんな味わいの酒だ。

(14.8.16ダイヤメ日記より)
「完」は球磨の豊永さんの酒。かんがこいと読む。
全麹仕込み、つまり米麹だけで仕込む焼酎だ。
手間がかかり、生産効率も悪いが、それだけに味わい深い酒ができると裏ラベルにある。
まったき隙のない米の酒。造り手の風貌を彷彿させる深い、さわやかな味わいの酒だった。

「酒亭」入り口
「ひるね蔵」ホーム
掲示板
蔵・焼酎リスト
焼酎寸言目次

メールはこちらまでお願いいたします。
(c)hiken@2002.8