焼酎寸言

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    さつま祁答院  
.....................軸屋酒造 . ....鹿児島県薩摩郡宮之城町平川1427  (report 17.5.1改訂)

紫尾の露」を造る蔵として知られる軸屋さんの酒。さらりとした口当たりで芋焼酎は初心者という方でも飲みやすい酒だ。しかし、香味より何よりこの印象的なラベルデザイン(というより絵)のインパクトで知られる銘柄である。

銘柄名の「祁答院(けどういん)」は軸屋さんの立地する宮之城の南東に隣接する町名に由来する。湖は「藺牟田(いむた)池」である。水面に影を映す山は池の東岸に聳える飯盛山(いいもりやま)。その対岸の菖蒲園あたりに佇む麗人を描いたのは、奄美群島、徳之島(伊仙町)出身の画家、宮トオル氏。愁いを湛えた眼差しと真っ赤な衣裳が印象的である。やや始源的な宗教性を感じるこの情景、「宮トオルの世界」ギャラリーの中の「花吹雪」と同一の心象的世界なのかもしれない。



このラベルを使った大きな看板が地元にあるらしい。「ちょっと、夜見るのはおっかないですよ」と市来出身の女性が言った。わかります(^^;)
ことし元旦に「南星屋酒店」さんでいただいたもの。年末年始無休というナボシ屋さんの店内で棚に並んでいる焼酎ビンを眺めていたら突然このラベルが目に飛び込んできた。焼酎居酒屋さんのカウンターなどでは目にしていたのだが「そげんゆえば、こいは<寸言>にかいちょらんどな〜」とふと思ったのだった。
軸屋さんの商品説明書をナボシ屋店主の福島さんがファックスしてくださったのだが、それによると祁答院には古くから「口噛酒」という独特の造りが伝えられていたという。神仏に捧げるために「噛んで壺に貯蔵して造る」この酒のイメージからこのユニークなラベルになったとある。作家の名前は軸屋さんから直接ご教示いただいて知ったのだった。

■飲んでみた
ラベルのやや重いイメージとは逆に、この酒はフワリと軟らかく、実に飲みやすい酒である。
酒質としては軽い方にはいるだろう。紫尾山水系の水を仕込みに使用しているためか、軸屋さんの酒はその底に春の風のような柔らかさを感じることまさしく「紫尾の露」にみる通りだが、この「祁答院」はさらに香味が快く浮遊しているような印象がある。これは芋の豊かさにほどよくブレンドした麦焼酎の軽さが相乗しているからだろうけれど、二つながらの材料が噛み合わさってこの味わいを醸し出していることを思うと、いにしえの口噛酒に託したイメージはまさしくこの酒の質実となっていると感じたのである。
ストレートでよし。お湯割りでなおよし。黒ぢょかでゆっくりといただきながら、夏の日盛りにロックで試せば、さらに素晴らしい膨らみを見せるのではとつい想像してしまった。


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