焼酎寸言

「酒亭」入り口
「ひるね蔵」ホーム
掲示板
蔵・焼酎リスト
焼酎寸言目次

黄八丈(きはちじょう)
..... 磯崎酒造............. 東京都八丈島八丈町大賀郡400.........  
三年古酒の麦焼酎。原料は麦麹・麦とあるが、ここに「海の風」をつけ加えたい気になる。独特の香り、味わいが強い個性を表現している酒だ。八丈の地磯で4号の磯竿を出して大物が食って走る予感に震えながらちびちびいただくのが、最もこの酒に似合うような気がする。まちがいなく海の酒だ。
黄麹で仕込む麦焼酎だが、八丈での黄麹仕込みというのがなんともユニークな印象を受ける。

写真は釣りには欠かせない愛用のナイフ(杉原渓童作)とマミヤOP時代のアブ・カーディナルリヤドラグスピニングリール。研ぎ減り傷だらけだが、手に馴染む道具の良さを教えてくれた大切な宝物です。
薩摩の丹宗さんがその配流の地である八丈島でサツマイモを原料に焼酎をつくったのは、江戸末期のこと。そう、東京都には芋の本格焼酎の伝統があるのだ。今は麦に主流が移ってしまったけれど、その源流が鹿児島であることをあらためて感じた。

「太平洋に浮かぶ伊豆諸島のうち、大島・新島・神津島・三宅島・八丈島の五島で本格焼酎が造られている。最初に造られたのは八丈島である。幕末期の嘉永六年(1853)密貿易のかどで幕府に捕らわれ、八丈島遠島に処せられた薩摩国阿久根の貿易商、丹宗庄右衛門によって焼酎製法がもたらされた。庄右衛門は財政改革を進めていた島津藩の命令で密貿易をやり、幕府に捕らえられたという。そのころ、八丈島では穀類を使った酒造りは禁止されていた。しかし、サツマイモはすでにこの島ではかなり作られていて、救荒用として食べられていた。そこで庄右衛門は焼酎造りを思い立ち藩に頼んで道具一式を取り寄せた。これが伊豆諸島での焼酎の始まりである。以来、いも焼酎は「島焼酎」「かんも焼酎」「島酒」と呼ばれて親しまれてきた。昭和50年代に入ってからは、サツマイモの生産量が減って価格が上がったころ、それに安直に使えて手間も省けることなどにより、いも焼酎から麦焼酎に転換したところも多い」
「鹿児島の本格焼酎」(鹿児島県本格焼酎技術研究会・春苑堂出版)より引用。

■飲んでみた
これまで、青ヶ島の「青酎」、大島の「御神火シリーズ」を戴いたことはあるが、この黄麹仕込みの古酒は、それらとはまた別物という感じを受けた。味に古酒らしいヒネ感があり、独特の香気が初心の人を寄せ付けない、そんな印象の、ちょっと変わった味わいだ。この酒はもう、生でごいごい、ではなく、ちびちびと飲むしかない(と、小生には思えた)。一度捉えられたらもう離れられない「くさや」と同様に、この独特の味わいも馴染んでしまうとクセになるにちがいない。味わいのかなり深い酒だ。
飲み過ぎに注意しましょう。乱暴狼藉放言大声は慎みましょう。

「酒亭」入り口
「ひるね蔵」ホーム
掲示板
蔵・焼酎リスト
焼酎寸言目次

メールはこちらまでお願いいたします。
(c)hiken@2001.7