焼酎寸言

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  種子島 金兵衛 無濾過 
..............種子島酒造  鹿児島県西之表市西之表13589番地3 (report 19.1.3)

焼酎は「人」が造る。
人が、そしてその思想が変われば同じ原料で同じ蔵で造られても別の表現になる。この種子島「金兵衛」、ラベルが変わり「無濾過」で出荷されたもの。これまでの金兵衛を造っていた杜氏に代わり、長く屋久島の手造り蔵での経験を持つ新しい杜氏(工場長というのだろうか)が指揮して生みだした酒である。

味わいは以前の物とはまったく変わった。
以前の金兵衛の爽やかなといいたいほど気品のある優しさはまことに見事な味わいだったが、造る人と、その考え方の違いがかくまで酒に写るかと感じさせられた酒である。


北京の回族の住む街で見つけたぢょか(ホントは茶器です)でお湯割りをいただく。濃醇を味にするとこうなる。
■飲んでみた
まずストレートで戴いた。おもわず「こいは?」と盃を持つ手が止まった。
さすがに同じ「金兵衛」の名を冠した酒である。以前の味わいの記憶を自然に対比させていた。この酒はまったく新しい酒、新しい「種子島金兵衛」だ。
口当たりの重厚さと喉ごしから余韻に至る味わいの膨らみは圧倒的である。だが穏やかな香味は深さと太さを感じさせて余りあるが決して刺激的ではない。強靱な意志を柔らかな表情に覆ったキャラクターを感じさせる。言葉を尽くしても、この濃醇を言い表すには足りない。
お湯割りでいただく。ふと懐かしい味わいの記憶がフラッシュする。種子島の隣り、屋久島の原酒の記憶である。造る人が海を渡り種子島に至り、その味わいもまた渡海してきたという感興を覚えたのだった。まさしく芋焼酎の本質。それを無濾過で出されたのを味わえる至福。
この味わいが今後どう進化してゆくのか、濾過はどうなるのか、種子島さんの他の酒がどう変わってゆくのか実に楽しみである。
左の写真は昔のラベルである。
この酒のレポートの最後にこう書いた。

種子島も焼酎が豊富なところだが、さまざまな味わいに共通するのは造り手さんたちの気持ちの細やかさ。
加世田の焼酎伝道師協会頭領として焼酎普及に心血をそそいでいる、にっしーさんの
「金兵衛」レポートに、「種子島に行ったことはないが、南の島の田園風景に想いを馳せながら、島は人情と共に焼酎も優しいと痛感した」とあるが、まったくそのとおりと頷いた。


金兵衛の名が、種子島の「鉄砲伝来」にまつわる鍛冶の名であることは有名。


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