焼酎寸言

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 煌の島 奄美(きらめきのしま あまみ) 
.....   ... 奄美酒類  22 ....鹿児島県大島郡徳之島町亀津1194  0997-82-0254


黒糖焼酎自体は、戦時中から造られたという。
さほど歴史は古くはない。しかしよく風土をあらわし、人々のくらしを写した酒だと思う。
「黒糖焼酎」は不思議な酒だ。サトウキビから作る黒糖を原料にしているのにラム酒と違い深いコクのある独特の味わいがある。これは黒糖の量の半分以上も使用する米麹によるものだ。
昭和28年、アメリカ統治下であった奄美諸島が日本に復帰した。このときにラム酒と法的差別化をはかるため、米麹の使用を条件に「焼酎」として認可されたという背景がある。
歴史を遡ると、島津の支配下では砂糖からの焼酎製造は厳禁されていた。だが一方、黒糖製造期以外では焼酎造りは奨励され、島人たちは芋、米、ドングリ、木イチゴ、かぼちゃ、ソテツ、などさまざまなものを原料として焼酎を造っていたと幕末の薩摩藩士名越時敏(なごやときとし)の「南島雑話」にある。名越は薩摩藩の寺社奉行・大番頭を勤めた上級武士だ。挿絵も巧みで、奄美の蒸留風景などを描いている。これによって、当時、木桶のカブト釜を使用していたことが分かる。



この「煌の島」、仕事場の同僚から貰ったもの。彼が担当する仕事の関係で鹿児島本土、奄美諸島を取材してまわったという。なんという贅沢!いちどでいいから公私の公で焼酎三昧してみたいものだ。そう言ったら、「これは、仕事で行ったんだ。大変だったんだから・・・」という。「ほんなら、替わってあげようか。次ぎは?」と親切に申し出たら、「めっそうもない。仕事には苦労がつきものだからね」と笑い、この黒糖焼酎を小生のデスクに置いて風のごとく去っていったのだった。世の中には理不尽と不公平があふれていること、かくのごとしだ。
奄美酒類(株)はいわゆる共同瓶詰めの法人であり、製造は天川酒造など数社が行っている。
焼酎台帳2002年鹿児島版」の管理人氏が、この地を取材されているが、このサイトにアップされている丁寧かつ克明なレポートは必見です。

■飲んでみた

蒸留酒だから、砂糖が入っているわけでもない。しかし開栓した途端に広がるこの甘い香りは圧倒的だ。芋の甘さを柔らかな絹布に例えるなら、この「煌きの島」の芳醇は極色彩のカンバスとでも言おうか。文字通り「煌めいて」いる香味を堪能した。ショットグラスに注いでストレートで。25度という度数を感じさせないのみくちの良さ。ロックにしたら華やぎがスッとまとまって重量感を感じるコクのある味わい。まるで南国の空に輝く太陽の香りを味わっているようだ。

いも焼酎と同様、奄美の黒糖焼酎は鹿児島の宝である。ラムの芳醇に米麹の旨味を加え、世界の何処に出しても堂々胸を張って誇りうる酒だと思う。かって馴染みの薄かった「黒糖焼酎」が、県内そして全国に素晴らしい勢いで普及しているのは、たゆまず造りの工夫に携わってきた方々の、その努力の成果であると、この「煌の島」をじっくりと味わいながらそう思った。

 
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