ひな吉 ひるね蔵の管理人が、鹿児島に行って色々取材してきたらしいよ。
芙蓉 飲んでばかりいたわけじゃあ、なさそうねえ。
ちょっと聴いてみましょうか。

焼酎をつくるには、まず何が必要だとお思いですか?
工場?製麹機?米?芋?いやいや残念でした。最初に、そして絶対に必要なもの、それは製造免許です。
明治32年に自家醸造が禁止される前は、鹿児島の家庭ではごく普通に焼酎が作られていたのですが、今それをやると酒類の密造ということになり、犯罪として掴まってしまうので注意が必要です。
本格焼酎(ここでは芋焼酎)の製造工程について、簡単にご案内しましょう。
製造工程は大きく3つに分けることができます。つまり、醸造、蒸留、そして貯蔵。製造の材料は水、麹 、米、そして原材料の芋です。もちろん酒母をつくる酵母菌も大切な条件です。
順を追って、図解で見てみましょう。
洗米・浸漬
(じょう)きょう
冷 却
製 麹
仕込み水と酵母を加えて一次仕込みタンクへ
約一週間で一次もろみ

主原料の芋を下拵えし蒸して粉砕。






二次仕込みタンク

約2週間でアルコール度数が14〜16度となる。これが、二次もろみです。
 米麹用の米を、洗ったあと水分を吸収させます。この浸漬(しんせき)の工程は、種麹菌が糖化と酸化を行うために最適な状態の蒸し米にする前段階と言えます。蒸きょうによって最適化された米をは、次に種麹菌が繁殖しやすい品温35度程度まで冷却されます。

 そして製麹(せいきく)となるわけですが、
実は、この工程は「自動製麹装置」によって一貫した自動化が図られているんです。この自動製麹装置によって、蔵の仕事は大きく変わったといえます。
 この装置を開発したのは、河内源一郎商店の山元正明氏。その義父である河内源一郎氏こそ、焼酎の種麹研究一筋に生き抜いた人でした。河内源一郎、明治16年広島生まれ。大阪高等工業学校(現阪大工学部)醸造科を卒業、税務監督官として鹿児島に赴任し、焼酎の品質向上に務めた人。白麹の発見者で、退官後は種麹菌をあつかう会社「河内源一郎商店」を設立。(私の母校、清水小学校の近くにあります)酒造組合や杜氏組合の活動にも貢献した人です。

 原材料の芋(さつまいも)は、昭和41年に命名登録された「黄金千貫(こがねせんがん)」が主体ですが、平成6年に命名登録された高デンプン質の「ジョイ・ホワイト」は名前が焼酎原料用品種として開発されたことを表しています。(芋のページ参照)

自動製麹装置


発酵を始めた二次もろみ

■次が、蒸留です。
蒸留には、減圧と常圧の、二つの方式があります。
 これによって、素材特有の風味を消す減圧蒸留機によって造られた「口当たりの良い」焼酎と常圧蒸留による「風味の豊かな」焼酎という2種類の本格焼酎がうまれました。麦だけでなく、熊本県の特産である米焼酎、球磨焼酎の9割が減圧蒸留処理されていることには驚きます。

減圧装置のついた蒸留機

常圧蒸留機

昔ながらの木桶蒸留機(詳細)

蒸留されて出てきた初垂れ

瓶詰め機械

 蒸留された焼酎は、フーゼル油などを濾過して、アルコール度数を38度に調整し、原酒タンクへ。樫樽での貯蔵もあるが、酒税法により着色制限があるため、樫樽での貯蔵は約一年程度となります。

 熟成した焼酎は、割水して販売する度数へと調整します。工程の中で、水のもつ重要性がよくわかります。鹿児島はいい水が豊富であることからも、焼酎造りに最適の土地であるということができるでしょう。

 濾過しないことによる風味を大事にした焼酎や、数年以上熟成させたもの、また、木製(たとえば杉製)の蒸留機を使用して微かな杉材の香りを楽しめるもの(萬膳酒造の作品)など、原料の出来に頼るだけのワインなどとちがい、
本格焼酎は造り手の魂とアイデアで様々な作品が生まれています。


 簡単な説明でしたが、
「鹿児島酎行紀」で、国分酒造さんと佐藤酒造さんをレポートしていますので、そちらもご覧下さい。2002年には古式の造りを継続している蔵にもお邪魔しました。こちらです。


濾過機


黄金千貫

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