焼酎寸言

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  蔵番長  
............. .鹿児島酒造      鹿児島県阿久根市栄町130 i k(report 17.5.1)

この酒、実に「意味」のこもった作品だ。
私的な事ではあるが、小生の故郷は鹿児島県曽於郡大隅町岩川である。その大隅町がこの7月(2005.7)に財部、末吉との3町合併により「曽於市」となる。
この酒、3町合併の先駆けとしてそれぞれの町の生産農家そしてプロデュースの酒販店さんが気持ちを込めて作り出したのである。
造りの指揮をとったのは「杜氏の中の杜氏」と言われる黒瀬安光氏。
「蔵番長」の誕生を地元の南日本新聞は「3町合作焼酎の完成」と伝えた(県内ニュース4月15日付)。

芋〜ベジータクイーン(ベニアズマ突然変異種)
...竹下商店...竹下一成氏
■米〜白玉米
...白玉米復活栽培保存会...下川幸春氏 ほか会員農家
■プロデュース〜日本・侍士の会
...前畑浩一氏
「原料芋ベジータクイーンと麹米白玉米の相性がすばらしい」杜氏が材料に惚れ込んだという。これでうまい焼酎にならないわけはない。期待を込めて開封する。アルミキャップに指を傷つけない工夫がある。心配りが行き届いている。丁寧に大事に送り出した気持ちが伝わってくる。
■飲んでみた
キャップを取る。ゆるやかに香りが立つ。生でいただく。「まろやかな」と表現したい優しさが際だつ。非常にバランスのすぐれた香味である。旨い、飲みやすい、いやそういった表現ではこの酒を評することにならない。絹のように木目の細かなそして柔らかな口当たり、そして喉ごし。命に染み通ってゆくような奥の深さ。残響の長いコクを楽しみながら次の一杯をノドが欲しがる潔さ。お湯割りでは控えめな甘さが静かに広がる。
そう、この酒には「気品」がある。名誉とか誉れとか金で換算できないこころに響く何物かがある。

■ダイヤメ日記から
ときどきひるね蔵酒亭に書き込みをいただく「からいも屋のあんちゃん」こと、竹下さんは大隅町岩川の方である。物静かな紳士だが、例えば「サツマイモ」の畑を見ながら語るときの目には強い光が宿り、数多くない言葉の一つ一つが重量感を増す、そういう薩摩隼人である。
号するとおり、からいもを生産し扱っているだけでなく、酒販店さんやお蔵さんと一緒になってその手になった芋を「焼酎」に造り上げることにも一心に取り組んでいる。


気力が漲るラベル
竹下さんの芋のことを酒亭に書いた。その竹下さんが先日「蔵番長」を飲んだ印象を書いてくださった。産地に住む人の優位にすこし垂涎の思いを抱いたのだった。
財部の前畑さんが出荷と同時に送ってくださったのが到着した。「よかとが出来もした」と訥々と電話の向こうに笑顔が見えるようだった。
さっそく開封し、飲んだ、もといテイスティングしたのだった(^^;)。。
竹下さんのベジータクイーン、保存会の下川さんほかの農家が丹精した白玉米、そしてそれを醸すのは黒瀬安光杜氏。裏ラベルのメニュー書きは豪華そのもの。しかし、そのラベルに意味を持たせる前のそのうまさ。華やいだ香りと舌に何かが落っこちてきたのかと思わせるほどの重量感。辛さと甘みの二重奏。ただものではない味わいの深さである。なるほど、裏ラベルの意味は飲んだ後で解ってきたのだった。


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