焼酎寸言

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   黒瀬杜氏  
................杜氏の里 笠沙 .okin  鹿児島県川辺郡笠沙町赤生木6762番地 (report 15.1.26)

焼酎造りの時代変遷をかいつまんで言うと、次のような分類になる。(ちょっと乱暴かな?)
(1)自分の家で焼酎を造った時代
(2)何人かが共同で自家用焼酎を造った時代
(3)販売用の焼酎製造の時代
主婦(刀自-とじ,とうじ-)が味噌を造るのと同じように「焼酎」の自家製造が許されていたのは明治31年まで。翌年からは共同製造そして販売用の製造と、工業的色彩を帯びてくる。この時期が職能集団である「焼酎杜氏」の起源となる。
「杜氏」の語源はさまざまだけれど、上記の「刀自」に由来するという説が有力なようだ。



杜氏の里 笠沙の「焼酎造り伝承展示館」を訪問したときのレポートはこちらです。
平成11酒造年度の鑑評会リストより)
貴匠蔵-黒瀬康美、さつま寿-黒瀬貞美、桜島-黒瀬安信、黒瀬杜氏-黒瀬宏樹
利右衛門-黒瀬和吉、 不二才-黒瀬矢喜吉、紫尾の露-黒瀬一海、石蔵-黒瀬東洋海
黒粋華奴-宿里正治、島乃泉-黒瀬勉
上記の表に、黒瀬杜氏の活躍の一部を見ることが出来る。ただちょっと古いリストだ。寿は尾込宣希氏が造るようになり、軸屋さんで紫尾の露を造っていた黒瀬一海氏は現在万膳酒造の杜氏を務めておられる。そのほかにも変化はあるかもしれない。
各地で造りを務め終わった杜氏たちが、自分の造った焼酎を下げてふるさとの村に帰り「ノン方」に花を咲かせる時、お互いに「鑑評」しあうだろうことを興味深く想像する。そのことを「杜氏たちの宴」という一文に書いた。

■飲んでみた
黒瀬は笠沙町の小集落。日置郡金峰町の阿多と共に、この土地は優れた杜氏を輩出し、技を伝承してきた。現在も「黒瀬杜氏」は各地の蔵で活躍している。「造り」の技と誇りを長く伝承してきた土地と人が、この酒の名となった。
生でいただく。立ち上がる香り、口当たりの柔らかさはどうだろう。誇り高い職人集団の名前に恥じない、「格調」を感じる酒だ。柔らかく豊かな味わい。緩やかにそして清冽に香味が飲み手の全身を浸潤してゆく。醸し出される微妙な風味はキメ細かい味わいが何層にも重なり合っているからだろうか。米麹、芋、水(野間岳山系の岩清水)そして造り手の思いが玄妙に彩なして飲兵衛に応えてくれているような気がする。お湯割りでは、馥郁たる香味がさらに広がり、「安穏」な「懈怠」感と満足感に包まれる。まことにダイヤメの神髄を味わえる酒。

■ダイヤメ日記より
(15.1.24)
お湯割りでいただいた。仕込みは甕、蒸留は木桶と裏書きにある。先年訪ねた笠沙の景色を思い出した。黒瀬の杜氏は今も各所で活躍している。しかし各蔵元が農大で醸造を学んだ後継者や自前の社員杜氏の養成へと移行する産業構造自体の変化の中では地域的職能集団としての杜氏の流れはやがて細くなってゆく。佐多商店の黒瀬矢喜吉氏が秘剣と同年で杜氏の中では最年少と聞いた。黒瀬集落の外にも中にも後継者を容れる状況のないことに寂寥の感を抑えがたい。この「黒瀬杜氏」は白麹仕込み25度。優しいくちあたり、ふくよかで濃醇な味わい、余韻の厚さ、すべてが芋焼酎の美味しさの正統を伝えている。この蔵には黄麹仕込みの「一どん」もあるが、これまた伝統を伝える秀逸な酒だ。
(15.1.25)
黒瀬杜氏もお湯割りで。しっとりとした芋の香味がスローテンポで旨味を顕してくる、そんな優しい酒。芋香の濃厚はいうまでもない



老杜氏のダイヤメ〜鹿児島弁で語ってくれます。

杜氏の里 笠沙が現用する「木桶蒸留機」。

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