焼酎寸言

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 凪 海(なぎうみ)
................谷口酒造 .oki............n  東京都大島町野増ワダ......電話04992-2-1726

この焼酎、正式には「御神火 凪海」という
麦焼酎35度。この蔵の三代目、谷口英久氏がたった一人の杜氏として造る麦の本格焼酎だ。
「御神火」は昔から「独特のかおり、味」が定評だったようだ。昭和50年代に「芋」と「麦」で出されていたもの(ミニチュア瓶の仕様)も、味の評価を読み返してみると「個性的な」風味がまず印象的な表現である。味わいは現当主となっても深みが加わりこそすれ先代からの継承がその底にあると思うが、ラベルなどグラフィックは極めて洗練されている。これはおそらく奥様の内助だろうと愚考するのだが・・・。

カメの鼻面にあるのは、「一円焼酎」。ちゃんと凪海のラベルが貼ってある。この「一円焼酎」については、谷口英久著「一円大王」(道出版 定価1111円+税)をご覧ください。同書は
谷口酒造のサイトでも購入できます。
谷口酒造にはレギュラー酒の「御神火・麦」やその3年古酒を始めとするラインナップが揃っている。杜氏が飲みたいと造った(すごいキメ文句ですね)「平兵衛」、減圧蒸留の「天上」、麦麹で造る芋焼酎「いも」、健康酒「あしたば」・・・そのそれぞれを徳利に詰めたり、機械栓の瓶にあしらったり。このラインナップをみると、たとえば鹿児島のいろいろな蔵でもそうだけれど、原酒を「製品」とするときの、プレゼンテーションにかなりのアイデア・センスを発揮しているような気がする。現代の都市市場に打って出るにはこの方面での工夫もとても大事だなのだろう。その意味で谷口酒造の蔵としての表現力にはすばらしいものがある。杜氏を勤めると同時に、作家であり優れた朗読者でもある三代目の芸術性とグラフィックデザインが専門という奥様のコラボレーションが実によく顕われていると思うのだ。

■飲んでみた
かろやか、ともいうべき「凪海」のフェイシングデザインと違い、なんとも表現しようのない重厚を味の底に感じる。香ばしい麦の舞うような香味はもちろん絶品だ。若干オイリーと言っていいだろうか、かろやかと言うだけでは許さぬ沈潜すらも感じてしばし無言。この酒はストレートでゆっくりと戴く。ロックでもいいが原酒の表情をあまり崩さずに戴きたいものだ。


平成14年の焼酎ルネッサンスにて。

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