焼酎寸言

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かめ仕込 龍宮 無ろ過原酒 らんかん 
... ............富田酒造場  222.....鹿児島県名瀬市入舟町七番八号 0992-52-0043

この「らんかん」、本格焼酎の日の11月1日に富田さんから届いたもの。黒麹で仕込む黒糖焼酎源酒。42.9度。
仕事先から帰宅したら机の上に置いてあった。
焼酎&泡盛ファンなら見逃せない専門誌、「焼酎楽園」(金羊社発行)第7号の読者プレゼントに当選して、蔵から直送の手配を戴いていた酒だ。嬉しさのあまり手も洗わず、着替えもせず(いつもながら汚い^^;)早速グラスで一杯。
開栓した途端に、濃厚な黒糖の香りが沸騰した。甘くとろけた黒糖そのものの香りだ。
徳之島産の「黒糖新糖」まで同封してくださったので、これを囓りながらさらに一杯。優しい甘みがなぜか懐かしく感じる。
らんかん、というのは富田酒造場の裏山の名前だそうな。そのむかし、「オランダ人の館」があったことから、そう名付けられたと聞いた。富田さんの蔵の名前もかっては「らんかん酒造場」といっていたとか。



南国の酒。43度という度数を感じさせないまろやかさ。
南の島の日差しの中で飲みたい酒だ。天に海にしろしめす神々との饗宴。黒糖焼酎には、そういうシーンがよく似合う。
富田さんの焼酎は、東京で行われた「焼酎の会」で、6年古酒を戴いたのが初めてだった。
「どうです。やんちゃな酒でしょ?」と、ご自分こそやんちゃぼうずのように笑いながら試飲をすすめてくれた富田恭弘さんの表情が印象的だった。富田酒造場のレギュラー銘柄は「龍宮」。この「らんかん」はその原酒というわけだ。蔵の原点を味わえる酒というべきか。上のラベルに「源酒」とあるのも意味深く楽しい。
奄美大島では甕仕込みを行う蔵は多いが、一次、二次とも甕で仕込んでいるのは富田さんのところだけだと聞いた。このあたりにも造り手のこだわりを感じる。製造する量的拡大や効率を考えれば、タンク仕込みが有利に決まっているが、「造り」を職人の目で見据えた選択なのだろう。語弊があるかもしれないが、富田さんは、「造り」を楽しんでおられるような、そんな気がした。遊び心にあふれた豊かな気持ちで「造る」酒の味わい。しみじみ、ゆっくりと「楽しみながら」向き合ってゆきたい酒だ。

■飲んでみた

まずは生でいただく。グラスを口元に運ぶと、凝縮した黒糖の鮮烈な甘い香りが鼻孔を刺激する。「甘い」と表現したけれど、ラム酒の「あまったるさ」とは別物だ。
麹米に由来するものだろうか、香ばしさを加えた芳香には爽やかだが底に力のある主張すら感じる。ひとくち含み、飲み下す。芳香がふかい旨味に変わり、味蕾にはじけ、口中にひろがる。ノドを浸潤し、五臓に響く。ちからのある酒だ。黒糖に限らないけれど、ほんものの酒には「意志」とか「命」とかそういった絶対価値に直結する「ちから」を感じるものだ。この龍宮原酒「らんかん」、表面の優しさや高い酒品の底に、みなぎる力を感じる酒。それにしても飲みやすい。43度(正確には42.9度)もある原酒とは思えない。それほどまろやかなくちあたり、なめらかな喉越しの酒だ。
生でこうだから、ロックにしたら危険なほどごいごいと飲んでしまいそうな気がする。
次ぎにお湯割りで戴いた。せっかくの原酒だから、濃いめに燗をつけてみた(7:3〜度数にして30度くらいかな?)。これは確かに危険だ。するするとノドをすべりおちてゆく。
しかし・・・とここで冷静を取り戻して考え直した。
びんぶくさいようだけれど、お湯割りにするなら「龍宮」でいいかも。折角の原酒43度、これはこの度数ならではの表情を味あわせていただくのがよさそうだ。
もったいないので、さっさと蓋をして仕舞い込んだ・・・やっぱり貧乏くさい?^^;
 
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