焼酎寸言

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青一髪 
........久保酒造場  222長崎県南高来郡口之津町甲2139 

麦本格焼酎(麦麹)の25度。鶴川の「酒舗まさるや」で購入したもの。
まず、この「青一髪」という名前の由来について触れなくては、ナンのことかわからないだろう。
江戸後期の儒学者にして詩人(というカテゴリーでは括れないが)頼山陽の作に「泊天草洋」という題の漢詩がある。


雲耶山耶呉耶越   
雲か山か呉か越か
水天髣髴青一髪   
水天髣髴青一髪(せいいっぱつ)
万里泊舟天草洋   
万里 舟を泊す 天草の洋
煙横蓬窗日漸没   
煙は蓬窗(ほうそう)に横たわって 日 漸やく没す
瞥見大魚跳波間   
瞥見す大魚の波間に跳るを
太白当船明似月   
太白(たいはく=金星)船にあたって 明るきこと月に似たり

(
遥かに見えるのは、雲か山かまた大陸の呉や越か。空と水の間は茫洋として青い一筋の髪のようだ。・・・・・・)

つまり、青一髪とは頼山陽的表現で「水平線」のこと。
まあ、それにしても天草から海をながめて「大陸」が見えるはずはない。さすがに奇抜な着想、大胆な行動で知られる頼山陽ではある。気宇の壮大な詩をよくするひとで、あの「べんせいしゅくしゅく・・・」で始まる「川中島」も彼の作。久保さんの命名だろうか、風雅な銘柄名だと感心する。

■飲んでみた
この酒は麦麹で造る麦焼酎、25度。芋焼酎の多様さにまけず、麦焼酎にも驚くほどの様々な特性をもった酒があると思う。この酒はまるで芋焼酎かと錯覚するほどのふくよかさ。ボディがあると言えばよいのだろうか。生でのんで舌に馴染む優しさの深いこと。小さな小屋のような工場で少しだけ造っている酒だという。
岩倉さん、村尾さん、藤本さん・・・・・・たくさんの優れた麦焼酎がそれぞれの味わいを持っていると思うが、この「青一髪」も、この蔵元さんならではの確固とした個性を香しく漂わせている酒だ。

■ダイヤメ日記より
(13.8.20)
表現の素晴らしさ同様、素晴らしい味わいの麦熟成焼酎。
肩に力を入れず、こだわりもせず、自然に造り、必要と思うだけ熟成させ、静かに市場にだしている酒だ。つい、薩摩のまだしらぬ蔵のことなど思ってしまった。

 

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