焼酎寸言

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紫美
雲海酒造(株)鹿児島工場
(旧社名 新屋酒造)        出水市上鯖渕532-1 0996-62-0043

昔ながらの手造り、カメ壷仕込みで丁寧に仕上げられた品。 
鶴が飛来することで知られる鹿児島出水市。山紫水明と言うに相応しいこの地はまた豊穣の海が眼前にひろがる絶景の風光のなかに静かに広がっている。
残念ながら、「新屋酒造」は約100年の歴史を閉じざるを得なかったが、広く支持を得た銘酒のうちこの紫美は製造を継続することを許された。

(13.4.15追記)宮崎の大メーカー、雲海酒造からの吸収合併によって新屋酒造の経営は移行したが、昔からの造りの伝統が「新屋記念蔵」というカタチで継続されていることは、人づてに聞いていた。そして、その造りへの情熱の系譜が果たして継承されるのだろうかという小さな疑問を持っていたのも事実である。だが、先日薩摩の方から送っていただいた「随想かごしま」という小冊子に、一遍のエッセイを見たとき、100年の伝統はさらにこの記念蔵から新しい理念を、作品というかたちで産み出して行くに違いないと確信したのだった。
そのエッセイのタイトルは「自分の花、まことの花」。新屋記念蔵の蔵長、新屋貴子さんの筆になるエッセイである。タイトルは、世阿弥が「風姿花伝」の中で言った言葉だ。若い能楽師の魅力を指す時分の花に対し、年老いた名人の無限の魅力をまことの花という、そのまことの花を目指して頑張って行きたいといった小瀬戸酒店の奥さんの手になる一文に、新屋さんが自らを託して書き上げたエッセイだ。自然体の覚悟ともいうべき姿勢がそこにはあった。(「随想かごしま」随想かごしま社〒890-0085鹿児島市南新町17-5 電話099-252-8121 Eメール zuihitsu@poem.con.ne.jp

■ダイヤメ日記より

(13.2.3)九州焼酎探検隊の最新レポートによると「紫美」の評価がかなり低いようだ。私の部屋には新屋の「紫美」を小さな壷に封印したものがある。合評会メンバーのI氏同様、これは開封したくないので思い出しての記述になる。
9月に飲んだ印象では嬉しいほど存在感が強い旨い酒だった。たしかに比較すると雲海になってからの「紫美」には何かが足りないそんな感じを受ける。不足なのか、変化なのか。むしろ形而上的なカテゴリーに由縁することだろうか。

(12.10.21)関東本格焼酎合評会」に紫美を持参して飲んで貰った。
(12.9.30)明日から酒税が上がる。安ウイスキーと同じになってしまう。といって、紛い物ウイスキーに転向する本格焼酎党はいないが、増税分の苦みを感じながらダイヤメが続くだろう。紫美の深い甘さは例えようもない。大量生産(しかも原料はオーストラリアの大麦)される他県の麦焼酎などとは文化の格が違う。雲海が継続して造るというが、このラベルの瓶は、色々な意味の記念として取っておく。
(12.9.23)新屋酒造のラベルで出荷された、最後の「紫美(しび)」。強さがあとに残るが主張の明確ないい酒だ。お湯割りで旨い。生でもいい。この酒を、小振りの(四合の)瓶に詰めて、封印した。5年後に開けて飲むつもり。
(12.8.13)ひるね蔵本体の手控えに、「天使の分け前〜失われしもの」と題して新屋酒造のこと、紫美のことを書いた。

 

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