焼酎寸言

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s さつま大海
..............大海酒造 ...............鹿児島県鹿屋市白崎町21-1  .........
「さつま大海」芋焼酎25度。大海酒造のレギュラー酒のラベルが昨年度出荷のものから変わった。
基本デザインはそのままなのだが、暖かな黄金色を大胆に使用している。暖色系のこのラベルは以前のものよりより鹿児島の”焼酎らしい”感じが強くていい。店頭での着目率もかなり違うのかもしれない。
常に変化、というよりも進歩・進化を続ける大海さんの酒はもちろん杜氏の大牟禮さんの求めるもの。これまでは飲み口の良い、そして飲み方を選ばない間口の広さがあった。芳醇さと飲みごたえがさらに強く、濃くなってきたのは焼酎飲んべえたちの広がり、深まりという受け手の変化をきちんと見て、応えたものだろうなと思う。新橋駅近くのスペイン立ち飲み「バル・ビェン」には四種類の芋焼酎があるが、その中の人気no.1なのも宜なるかなである。

(以下は、これ以前の記述)
この蔵は、いろいろな試みにチャレンジしていて、見ていて楽しい。
ジョイホワイトと黄金千貫を使い黒麹で仕込む「海王」、黄麹で仕込み減圧蒸留で仕上げる「海」。
平成12酒造年度のグランプリを獲得した「さつまの海」は、ちょっと辛口の、骨のあるといいたいほどの、男らしい酒だった。

平成18年の夏が始まる頃、大海東京事務所のS氏と池袋の焼酎居酒屋「BETTAKO」で語った。
「"さつま大海"の味が変わりましたね」「出荷時期によって変えているのです」きめ細かな気配りがあるということだろう。


「焼酎」で味わえるもの、米・芋、水、そして造るひとたちの心。
この蔵元さんは、「造り手」を大事にする会社なのだろうな、という印象が、以前からあった。
その造り手、杜氏は大牟禮良行氏。その若さからは想像できないほどの下積みの修練を重ねている。この蔵には、かって黒瀬から杜氏が来ていたのだ。その黒瀬杜氏の下で、懸命にはたらきぬき、経験を積んで杜氏となった人である。職能集団としての黒瀬杜氏の直系といっていいのかもしれない。しかし、杜氏とは「自分の酒」を造る人だ。先述した「寿鶴」を仕込みに使用するには、黒瀬杜氏とは意見を分かちながらも、大牟禮杜氏独自の創意と熱情があったと聞いた。まさしく杜氏、まさしく職人である。蔵の後継者が、農大の醸造学科を出て杜氏となり、いろいろな焼酎の造りを試みる、マスメディアがそれを取り上げる、酒販店がその酒・その蔵を囲い込む・・・・・・などという動きを一概に否定はできないけれど、そういう、ブーム的風潮とは別の、地に足の付いた存在であってほしいと「焼酎杜氏」のことを考えるとき、しみじみとそう思う。
大牟禮杜は秋田の清酒蔵「浅舞酒造」さんと交流しその経験を様々に役立てている。そんなお話を聞きながらの宴もあった。http://www.kt.rim.or.jp/~wadada/cyokayume/yokaban/1462nstouji.html
■飲んでみた
生でいただいた。二年前に出荷された酒だ。冷暗所で眠っていたということになる。そのせいとは言えないが、くちあたり、のどごし、いずれも例えようがないまろやかさ。「さつまの海」の持つ、雄々しさ、強さにくらべると、たおやかなほどの優しさを感じる焼酎だ。ただ、その中に、ひそかなそして確かな剛直さが潜んでいて、ああ、これは大海さんの酒だと思わせてくれた。蔵の名前同様に、海のごとく寛容で広くて、しばしば激しい、そんな酒をこれからも造りだして欲しいと思います。
 

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