焼酎寸言

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s 屋久の大自然林
................本坊酒造屋久島工場 .okina  鹿児島県熊毛郡屋久町安房2384番地  

屋久島の本坊さんや霧島の萬膳さんの蔵は、手造り蔵として知られている。
手作りの麹、自然通気による温度調整・・・。いささかも空調を機械にたよらないことの困難さは、造りに関してシロートの飲んべえとしては想像するしかない。機械にたよらないだけ、人が手と神経を使うのだろうとは思う。
多くの蔵で、自動製麹機や三角棚を使用して焼酎を造っている。むろん、製造方法の違いにかかわらず素晴らしい味わいの焼酎が産まれているのは言うまでもないが、伝統工法を守るという意味においても、なんでも効率化を優先させる現代に、手造りの価値が評価されるのは良いことだと思う。
生のまま燗してのむと危険なまでにおいしいです。
この「屋久の島 大自然林」は、本坊酒造屋久島工場で造られる芋焼酎、25度。旧来の銘柄名は「大自然」だったらしいが、(多分)著作権の問題で「林」の文字が追加されたという。まあ、中味の美味さには関係ないけれど、焼酎の銘柄名を巡ってはいくつもの事例があるとおり、著作権、商標権、不正競争防止法など知的所有権に関しての配慮が必要だ。とくにブーム的に焼酎がもてはやされる世相だ、十分に注意しないと大きな事故につながることも考えられる。
屋久島工場は、手造り蔵らしく小規模だ。この酒と、「太古屋久の島」や「南海黒潮」など、年間400石ほどを移出する。有機栽培の米、野生酵母、超軟水の水・・・そして練達の杜氏。うまい酒の産まれる条件が揃っている。「からいもの里」や「かわ清」で呑んではいたが、先日、「囲炉裏で焼酎を楽しむ会」の準備にうかがった武蔵藤沢の「ナボシ屋酒店」さんで発見、速攻でゲットしたのが写真の一升瓶である。

■飲んでみた
生で飲んでみた。香りがまず豊かだという印象。ふくらみのある、穏やかな香りと柔らかなのどごしという点では同じ蔵で造る「南海黒潮」と共通したものがある。ただ、南海黒潮のちょっと重量感のあるうまみに比べてむしろ優しさといっていい味わいのひろがりを感じる。生でこうだから、お湯割りにしたらどう変化するかと(やや心配を含めて)思った。黒ぢょかに水と酒を半々にいれ、湯煎で燗をつける。暖まるのを待っている時間というものを悠然と楽しめるようになればよいのだが、意地汚い小生はつい焦ってぬるめのままグイと一杯。これが、うまかった!熱燗が冷めてくる途中で最高のうま味が感じられる酒もある。お湯割りでは温度の変化で美味しさの表情がかわるものだ。では濃度で味わいが変わるロックではどうだろう。浄水器を通した水を凍らせて、ブッカキにしたものを大振りのロックグラスにいれて、屋久の大自然林をたっぷりと注いだ。「ロックでは焼酎の個性がまとまり、ほのかな甘みがたのしめる」というのはソムリエの佐藤陽一氏(dancyu 2002年 7月号)。この屋久の大自然林、最後にロックでいただいたが、ほのかなどころではない、したたかなまでの甘さが広がった。これは実にうまい酒だ。
 

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