焼酎寸言

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 山田の 凱旋門 
.....   ... 白金酒造  22 ....鹿児島県姶良郡姶良町脇元1933

この「山田の凱旋門」は、白金酒造が造るプライベートブランドの酒だ。白金さんの蔵近くに住む釣り名人「酔船」さんからいただいたもの。芋焼酎25度。
PBといっても、酒屋さんや大規模居酒屋資本、商社グループのPBにあらず、地元蒲生町、旧山田村の銘柄である。
裏ラベルにこうある。
「日露戦争従軍兵の帰還記念碑として造られた山田村の凱旋門と・・・白金酒造の石蔵が平成十三年、国の登録有形文化財に登録されたことを記念して山田村の有志が麹用米を提供して仕込んだ焼酎です。」


山田村から出征した日露戦争の勇姿達を記念した銘柄名だ。本は昭和11年刊行の「軍国日本血涙史」。ちょっと見えている写真は樺山資紀。幕末から明治を駆け抜けた薩摩のじげん流の剣客であり、のち海軍大将。薩摩の峻烈な兵児二才頭としての逸話を孫にあたる白洲正子氏がその自伝の中で書いている。薩摩士道の徹底を伺わせる壮絶と言っていい話だ。明治の底力がどこで養われたか、あらためて感じさせてくれる。

■飲んでみた

「白銀坂」をややおとなしめにしたような優しい味わい。
ほどよい甘さでくちあたりもよい。まずは生でいただく。
白金さんの焼酎に共通する柔らかな薫りと旨味が確かにこの酒にも閉じこめられている。アルコール特有の刺激が豪もなく別珍の滑らかな手触りのように、ノドを潤し五感に浸み渡る。
五分のお湯割りにすると、「石蔵」の剛とはちがい、さらに柔の面がおもてに出てきて、いくらでも飲み続けられる。この酒、穏やかな表情のなかに決して酔客をあきさせない手堅い味わいを持っている。
TPOで飲み方を変えてもなんら揺るがない酒だと思うけれど、基本はストレート。生でゆっくりと飲んでゆくと、この酒の美味しさをダイレクトに感じられるかも知れない。

■飲んでみた
そういえば、ずっと昔に亡くなった親戚のばーちゃんの長男は日露戦争で戦死した。
母方の爺さんはやはり日露の戦いで金鵄勲章を貰った(小学校低学年のころ、田舎に遊びに行って見せて貰ったことがある)。あの頃、日露戦争の勇士やいくさの話が身の回りにまだ多く残っていたような気がします。
日清日露の戦役を戦い抜いたご先祖たちのお陰で今の我々があると思う。
明治から昭和にいたるわが国の歴史を、今の価値観(それもかなり偏向した観点から)だけで見て賢しらな評論をなす<進歩的>知識人センセイたちの左脳に、この酒を注入してみたらどうだろう。え、もったいないって?

・・・誉れをたてて傷つける 勇士の夢よ安かれと 戦地の月にひと雫 (愛の赤十字/昭和12年)

 
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