おいしく食べるのが一番というはなし
美味しいこと
 チビ、ハゲ、メガネ、デブなオヤジはまず例外なしに女の子には嫌われる。しかし、チビとハゲとメガネは生来の遺伝学的な理由によるものであって本人のせいではない。怠慢や怯懦や自制心のなさを原因とする「オヤジ」的なものではないのだから、ブスを理由に嫌われる女性となんら変わることはなく、これは理不尽というべきだ。性格ブスは嫌われて当然だが、オヤジの場合の「デブ」は四種混合の嫌われる理由のなかではちょっと筋が違う。疾病を原因としない肥満は、単に運動不足と飽食の当然の結果だろう。
 グルメブームと言われて久しい。リッチなOLたちは世界中のレストランから、秘湯の山菜料理まで飽きず食べ歩き、その知識と体験たるやすさまじいという。

 日比谷の高架下でインチキ焼酎(乙類焼酎以外のすべてを指す)に梅干しを溶かしてすすっていたオヤジたちも、11月になると鼻の穴を膨らませて「ボジョレヌーボーがなんたら」と口走る恐ろしい時代になってしまった。
 粗衣粗食の薩摩的伝統を尊重する小生は、グルメブームなぞ料亭政治屋や銀座のクラブのきんきらババアと同様に大嫌いである。一本ん万円というワインや、金に糸目はつけない成金でなくては味わえない(と称する)料理など、時代が許せば焚書坑儒ものだ!(血圧が上がってしまう。それにしても、例えが古いな、我ながら・・・)

 写真の左はパリのシテ島の公園でランチをとっていた学生。友人と楽しそうに話しながらパンに食らいついていた。そう、楽しく食べるのが一番だと小生は思う。 
 きんきらババアの店でブランデーを舐めながら出前の焼きソバをすすりこみ、他人のカラオケを聴くのがなにより好きだというお方は別だが。おっと、ずっと昔、学生時代のこと、演習後のテントで馬鹿話しを交わしながら空きっ腹に詰め込んだ麦と味付き澱粉の晩飯の旨さを、唐突だがいま思い出した。あらゆる食事には、楽しい相手と空腹こそが最良の付け合わせなのだなとしみじみ思う。

 次の写真はパリの宿でのルームディナー。近くのスーパーで150円のチーズ、350円のワイン、100円のパン、200円のスモークドハムを買ってきてレポートを書きながら取ったバンメシだ。レポート書きに夢中になり(ホント)メンバーのみんなと出かけそびれたのだった。これはホントに美味かった。うまくてそして安かった。

 バッカスの像やシャンパンの写真はドイツのスパークリングワインのトップメーカー「ヘンケル社」でのもの。マーケティング研修のはずだったが、最後の試飲会が一番充実していた。右のワインのあるテーブルの写真はミラノのレストラン「トプカピ」でのスナップ。ピザやパスタとワインの夕食なぞ日本では考えもしないが(小生にとって、外食の選択肢は1が寿司、2が中華、3が中華、4が寿司である)、これは良かった。しかも安かった。予約が必要なクラスのリストランテなのに六本木の一杯飲み屋の勘定より安かったのだから、東京のグルメコストやおそるべし。

 小生すっかりワイン党になってしまった。今日の昼はパンだったのだが、隠していたワインを持ち出し、カミサンと一杯づつ注ぎわけてランチ。食後ワインはあえなく没収されてしまったが、いや、うまかった。

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