かっこいい、フィッシャーマンになりてえ!/釣ったら食うか、食うために釣るか?/海が遠いぞ、足はどうする
釣り師とをなごに関する考察/ホームページ




 釣ったら食うか、食うために釣るか?



 お主、今なんと申した、「キャッチ アンド リリース」

てえ、かっこええなあ。といわなんだか。

 


そういえば、お主、その手に持っているロッドはいったいなんじゃ。

それは、わしの目が耄碌しているのでなければ、ルアーロッドでは

ないの。

なに、なんじゃあと。もっとはっきり申せ。

ルアーは「糸井重里」がくわえたばこでやっとるから、いやじゃと?

酒じゃ、酒を飲ませてつかわす!
でかしたぞ、若者。

おーい、奥、酒をもてい。

あ、いかん。わしは一人者であったの。

ま、いいか。

しかしじゃ、それだからちゅうてフライフィッシングに転ぶことは

ない。

なんだと、だってカッコいいじゃん、だと。

おーい、奥。酒はいらぬぞ。 あ、いかん。わしは一人者であった

の。


なに、耄碌なぞしとらんわい。それよりじゃ、その「キャッチ&

リリース」ってなあ、なんだえ。

なに、魚と楽しく遊んだら、優しく川や海に返してやるんじゃと。

魚にタグを打って、逃がしてやるんじゃと、

このお調子者めが!そういうのを、偽善者というんじゃあ

あ、いかん。つい、血圧があがってしまった。お主のせいじゃぞ。

よいか、魚にやさしいのは、『釣らない』ことじゃ。口にハリを

かけて引きずり回し、責めたてた上に、そのタグとかもうす

「これは、ワシが釣ったんじゃあ」的な付箋を突き刺して捨てる、

これは釣りではないぞ。釣りは、殺生じゃ。人として生きるじゃ。

ほかの生き物のいのちを戴いて、美味しい思いをしたり、楽しん

だりさせてもろう遊びなのじゃ。われらがなすことは、「感謝」と

「供養」
であって、「タグ」を打って、「捨てる」ことではないの

だよ。その「供養」の第一が、美味しく食べることなのじゃ。

おー、説教がなごうなってしもうたの。

なに、感じ入ったとな。偉い!やはりわしが見込んだだけのことは

ある。ならばじゃ、実地に教えて進ぜようぞ。

船の釣りにまいろうぞ。え、なんだって。はっきり、申せ。

そのフライロッドか、うむ。そこに捨て置け。わしの納戸であずか

ってやろうよ。

それから、そのベストも、クリールも、ストマックポンプも、キャ

ップもじゃ。

なに、キャップは必要だろうだと?いーや、いらぬ。

船の釣りには、手拭い鉢巻き、これじゃよ。これがあれば何も帽子

なぞいらぬ。それもわしの納戸に入れておけよ。さ、ゆくぞ、なに

をぐずぐずしておる。駕篭を呼ばぬか。

なんじゃあ、これがお主の駕篭か。なに、マイカーとな。

おぬし、ほとほと根性がくさっておるな。なんじゃ、これは。こん

ものは、車とはいえぬ。これは、玉手箱じゃ、ただのスノッブな箱

じゃ。なんじゃあ、なんたら、スターワゴンスペシャル、エクスト

ラじゃと。

もうよい、舌をかんでしもうぞ。それからな、この熊とか、カエル

の綿入れはなんにつこうのじゃ。なに、キャラクターぬいぐるみじ

ゃと、ぶわっかもん!窓でも拭けい!

よいか、釣り人の車というものはだな、このように「清里」がはい

っておってはならぬ。釣道一途、質実剛竿これじゃよ。

あに、どうすればよいかじゃと。このうつけものめ。

ま、よい。善は急げじゃ。近くの車両販売のできるだけ古い店にい

ってじゃな、「ジープをひとつ所望じゃ」と言え。

なに、もうジープはこしらえてはおらぬのか。情けないの。

ま、よい。その車でよいから、出かけるぞ。

なに、どこえじゃと。そうじゃなあ、きょうはもう遅い。船は既に

でてしもうた。さ、六本木に参ろうか。南部藩の藩邸近くに、旨い

酒を出すところがあるのじゃ。

なあに、釣り人はすべからく飲むのが常道。若きは酌をせよ。それ

が、正しきやまとの釣り風土じゃ。それでは、うむ、

遠慮なく、ごちそうになるぞ。なに、御馳走するとはいっとらんと?

そう、照れるでない。顔にかいてある。

おぬしは、茶でよいな。乗るなら飲むな、ともうすからのう。  

そう、ふくれっつらをするでない。

釣りは辛抱が肝心じゃ。





まだ、つづくぞよ。かくごしておれ!

かっこいい、フィッシャーマンになりてえ!/釣ったら食うか、食うために釣るか?/海が遠いぞ、足はどうする
釣り師とをなごに関する考察/ホームページ


『ひるね蔵』ホームページヘ