かっこいい、フィッシャーマンになりてえ!/釣ったら食うか、食うために釣るか?/海が遠いぞ、足はどうする/
釣り師とをなごに関する考察/ホームページ




 釣り師とをなごに関する考察



 お主、今なんと申した、「ボクの彼女を連れてきたれす」

といわなんだか。

 


拙者と云え!とまではわしもいわぬ。

わしも頑固ではないからのう。

だがじゃ、ボク、と片仮名でいふは目こぼししてやろうが、

彼女れす、のれすとは何じゃ!

--です、といえぬのか。なんじゃと、シャレじゃと!

嘆かわしいのう。我が國語の乱れ

はここまできおったかのう。情けないのう。

う〜。しかも、おのこの戦場たる釣りの場に、

をなごを連れてゆかんとするお主の心が情けのうて、

元気が失せ果てるわい。それで、その許嫁はいずこぞ。

なに?許嫁じゃあないと、うつけものめが!

契りおうたをなごでもないに、

連れだって出歩くとはなにごとぞ!

なに、お、そうか茶屋のむすめか。

ならば得心がゆくといふものじゃが。ま、連れて参れ。

お、おお、お、お〜い。か、可愛いではないか。

これ、そこな娘、茶でも飲まぬか。え、いらぬと。あ、そう。

つまらぬのう。え、なんじゃと、酒なら飲むと?

なぜ早くいわぬのじゃ。よしよし、では、まいらうかの。

え、どこへじゃと。決まっておる、わしはこう見えてもな、

ワインが好きなのじゃよ。

表参道の蔵本(電気飛脚三四七九之二一三八)にでもまいらうかの。

おや、お主まだおったのか。

帰ったとおもうておったが、しかたない一緒に参るか?

そうか、来るか。

聞かねば良かった。

しかたない、勘定はお主が払えよ。

わしは自慢じゃないが隠居の身、ノーマニーなのじゃ。

釣りはどうしたかって?お主、まだまだ天然自然のことわりが

わからぬとみゆるのう。ほら、風を感じぬか?

かすかな南の風が吹いておる。大気の中に雨のにほひがする。

今日は雨じゃ、釣りは止めじゃ。まだまだ未熟ものじゃな。

釣りは天地を相手としてささやかに楽しませていただくものじゃぞ。

天地がととのわぬときはしずかに酒でも汲むのが一番じゃ。

なに、こぬか雨だと。ぶわっかもん!

南の風は、相模湾の釣りにとっては鬼門なのじゃ。

え、きょうは東京湾じゃあなかったかって?

東京湾では、なんにも連れておらぬようでな。

魚のいぬところで竿を出してもしかたあるまい。

なに、昨日まではよかったようだと?

ちっ、ちっ、甘い!釣りにはな、昨日と明日があって、今日はないのだ。だから船頭だちがいふのじゃ

「昨日まではよかったけんど、ま、潮が動けば釣れるようになるんだがおう。

今日は残念じゃったが、またなあ」
とな。

いつもこれにだまされるんじゃ。だからな、

だいじなことはじゃ、後悔しないように自分で決めることじゃ。

これは、いかん。時間をむだにしておる。さ、いくぞよ。お主の駕篭で送って貰おうか。

むすめご、釣り師なんぞ懸想してはならんぞ。

お役目はおろそかにする、家は省みぬ、訳の分からぬ道具は買い込む、臭いエサを電気仕掛け冷蔵箱にしまい込む、自家用駕篭は魚臭くなる
といふ具合にな、ろくでもない仕儀になる。

想うならオジサンじゃ。会社を経営しておるようなハイパーな、海外旅行に連れていってくれそうなojisanこそお姉さんの相手としては理想じゃぞ。

なに、たれか知らないかだと。

う〜む、心当たりはあるんじゃがなあ、え〜と、オジサンでも、そ

金のない隠居はどうじゃ?え、だめ。あ、そう。

自業自得じゃな。つまらぬ入れ知恵をしてもうた。

お主、さ、釣りにいくぞ。ワインはやめじゃ。

思い出したのじゃが、わしは血圧がたこうての。

今日は酒はやめじゃ。

あれ、むすめ、どこにいくのじゃ。彼氏はどうするのじゃ。

なに、彼氏はもういらんと?ojisanをつかまえるんじゃと?

ぶわっかもん!かれし〜、じゃあないぞ。れし!じゃ。アクセントは前なのじゃ。

おろかなをなごじゃ。よかったの、お主。妙なをなごにつかまらずにすんだではないか。

感謝の意を表して、酒をおごれい!

なに、禁酒じゃあなかったかだと?なにをいっとる。

ワシはきょうは、節酒じゃよ。

なに、早く釣りにいきたいじゃと!

あんなをなごを連れてくるからじゃ。お主のせいじゃぞ。ま、まてい。

 

そう、ふくれっつらをするでない。

釣りは辛抱が肝心じゃ。





まだ、つづくぞよ。かくごしておれ!

かっこいい、フィッシャーマンになりてえ!/釣ったら食うか、食うために釣るか?/海が遠いぞ、足はどうする
釣り師とをなごに関する考察/ホームページ


『ひるね蔵』ホームページヘ