浦賀水道に金色のアジを追う


平成10年1月11日、久々に浦賀水道に大アジを狙って出撃した

本船航路の幻想、金色の大アジ捕獲作戦!

「釣りはフナにはじまって、フナに終わる」と淡水の釣り師は言うらしいが、海釣りの場合はアジじゃないだろうか。タナのとりかた、誘い、コマセワークまで基本型ともいうべき釣り、それが「アジ釣り」というわけで、初釣りは、久しくご無沙汰していたアジに決定。三浦半島、鴨居大室港の一郎丸の午後船に行くことにした。

狙いはもちろん豆アジなどではない、激しい海流で鍛えられた究極の美味東京湾の奇跡本船航路のまぼろしとまで噂される金色の大アジである。

 所沢の自宅を午前九時に出発。愛車のオンボロジープは渋滞する横横道路をなんとか走り抜け、一郎丸に着いたのは出船30分前だった。さっそく左の胴の間に釣り座をととのえる。定刻午後一時、高橋昇船長の操船する第18一郎丸は15人の釣り人を乗せて出船。久里浜沖へと向かった。

穏やかな初春の海がきょうの釣果を約束するように明るく輝いている。

 丹念な潮まわりのあと、期待をこめて第一投。ポイントは本船航路を少し出たあたり。深さは約100m。かけあがりになっているので、ときどき底を取り直すのがコツだ。

 小生の左隣りは常連の小松さん。早くも巻き上げスイッチを押している。

あがってきたのは30cmの良型アジ。ビシを上げ、ハリスを手に取り、左手でタモを使い、海面でアジをすくっている。あざやかに流れるような動作だ。

「大型のアジはタモで確実にね」と、余裕の笑顔である。

 コマセを底から1.5mで振り、2mでさらに振り、竿先を静かに上げて待つ。と、小生の竿先に強いアタリ。ん、サバかあ。ぐぐっ、ぐんぐんっ、というこの下品な引きはアジにしては強すぎる。

しかし横に走らないぞ。もしかすると、と期待がふくらむ。抜き上げたのは33cmの大アジだった。今年最初のうれしい獲物である。が、あとが続かない。回りの船をみてもタモが入っていない。隣りの小松さんも手返しよくコマセを打ち替えているが「潮がうごいてないねえ。これは苦戦するかな」とつぶやく。

 午後3時半、道糸がトモ寄りに流れはじめた。その時、小生の竿と小松さんの竿に同時にアタリが来た。力強い垂直の引きこみはまぎれもない大アジのもの。右隣りの若者にも来たようだ。

「食いが立ってきたね、いまのうちに釣らないとね」小松さんがタモ取りしたのは30cmオーバーの良型。3本ハリの一番下に食っていた。続いて右隣りの若者も同型のアジをあげた。小生の道糸がグリーンに変わった。あと10mだ。海中にビシが白く見え、その後ろにアジが付いているのが見える。これは大きいぞ。ハリスを掴んで、えいっとばかりに抜き上げた瞬間、アジは赤タンをくわえたままハリからはずれ、海に帰っていった。大きなアジはタモで、という小松さんの言葉が真っ白になった頭の中をよぎる。しかし反省してもアジは戻ってこない。気を取り直し、コマセをつめ、ハリに赤タンを付けて再投入。タナをとるとすぐにアタリ。タモで丁寧にすくいあげたのは、32cm、幅広の良型だ。上のハリに食っていた。タナがすこし上がっているようだ。このあと、4匹のアジを追釣。食いが落ちてきた午後4時半、船は85mダチに移動した。ここで一匹追加して今年の釣り初めは終了。

 天気もよく、同乗の釣り人たちとの会話も楽しく、クーラーには6匹の良型アジとあふれるばかりの心地良い潮風をつめこんで帰港。「きょうは渋かったけど、調子はよくなっているからね。また来てね」船宿で暖かいお茶をいただいてから帰途についた。

 アジはお造りとアジ寿司で。甘い引き締まった身はなんとも美味だった。 ビールと酒がすすんだのはいうまでもない。

◆参考までに

鴨居大室港 一郎丸

エ0468・41・9236

料金 午前・午後アジ5000円(エサ・氷付き)

出船 午前7時30分/午後13時

交通 横浜横須賀道路佐原ICから観音崎方面へ。鴨居大室港は、鴨居港よりさらに先。   かもめ団地が目印


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