(1.5.1)有機ガラス
`有機ガラス'は`アクリルガラス'`風防'などともいい、その実体は透明な
合成樹脂です。今世紀中頃の製品に広く使われ、いまでも廉価品やダイバーズ、
盲人用などに使われています。以前ほど広く使われなくなったのは、傷がつき
やすく、また紫外線などで変色することがあったためですが、それでも使われ
続けているのは、主に以下の理由によります。
- 廉価品の時計については、加工性に富み、低コストで製造できるため。
また、ケースも合成樹脂製の場合、それと溶着させることにより容易に
防水性を持たせることができるというメリットもある(ただし、その場合
修理は困難ないし不可能となります)。
- ダイバーズウォッチについては、同じ耐圧性能を得るのに他のガラス
を使用した場合より軽量化できることがあるため(ただし、他のガラスを
採用した製品も数多く存在します)。
- 盲人用については、光の透過性がそれほど重要でなく、むしろ針に触れる
ため繰り返し開閉されることにより損傷しにくく、またその際取り扱い
やすいことのほうが重要であるため。