2-1 グリーンインフラ


都市においてはエネルギーの集中的消費や高層建築の高密化、土地被覆の改変、緑の減少等によるヒートアイランド現象が生じています。このような環境負荷を低減する方法として屋上緑化が有効であることは理解されてきていますが、グリーンインフラの概念は既成の法体系を超えて、都市,土木、建築の屋上を連携して緑の森のサンクチュアリを実現し、潜在自然植生と多様な生態系を回復するランドスケープアーキテクチュアを目指しています。

ECOプロジェクト

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丘陵都市の提案


 ここに提案する「丘陵都市」は武蔵野の緩やかにカーブした台地のシルエットを持つ個性とアイデンティティのある都市である。環境の時代に生まれるこの都市は、世界に先駆けてエコポリスの理念に基づく全く新しい都市を実現すべきであり、次世代のライフスタイルはこうした丘陵都市からこそ創造されてくるものであろう。

 


グリーンインフラストラクチュアの丘

官庁施設を主とする中心部は、6階から10階建て程度の災害に強い低層建築とし、屋上を連結した緑の丘のグリーンインフラストラクチュアの中に納められる。建築と都市が一体化したグリーンインフラストラクチュアは武蔵野の原風景を再生し、植物相や動物相を育てあげると同時に都市のヒートアイランド化などの局地的な微気候を調整する。


中枢都市圏のエコパークベルト


 風格のある個性を育てるために、都市スケールに見合ったオープンスペースが必要である。鉄道で分断された東西動線の連続性を高めるために鉄道上部をエコパークとして整備し、見沼水系を復元して風土の魅力ある景観を作り上げたい。また将来的には、都心まで延長し、エコパークベルトとして一体性のある中枢都市圏にすることできる。


参道軸上のシンボルゾーン

 この地域の歴史や文化の象徴である神社は、欅並木の参道を含めて、様々な祭りや市などのイベント空間でもある。毎年の初詣に100万人以上集めるパワーは今なお地域の結縁空間として強い力を持っており、このソフトのネットワークの力は祭礼やイベントに生かされて都市の高度情報機能を豊かに補完できるだろう。そのためには参道を都市に延長してシンボルゾーンを形成し、地域の歴史的記憶を継承することが有効であろう。中枢施設の展望タワー、広場、アリーナは参道軸上に連係して配置し、神社の楼門、舞殿、本殿に対応する新時代の伽羅のイメージを創り出す。

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