5-1 オーガニックハウジング |
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21世紀の居住空間 |
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集合住宅は今、転換期に立っている。阪神大震災ではマンションの資産価値や災害に対する脆弱性が 広く知れわたった。一方2010年には築30年を越える分譲マンションは100万戸に達するといわれており、 建て替えを含めた建築需要は高くなってゆくであろう。 都市に住むためには立体的な土地利用は不可欠であり、また世界的にも人口爆発と都市化の波を背景とし、新しいコンセプトをもつ集合住宅のグランドデザインが今まさに求められている。 ここに提案するオーガニックハウジングは人間のための自由で快適な居住性を追求しながらも、人間の生活を自然生態系の一部としてとらえなおし、自然と融合しながらも、サステナブルな生き方のできる、バランスのとれた21世紀の都市居住空間を創りだそうとしたものである。 |
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オーガニックハウジングのコンセプト |
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![]() ![]() ![]() 1)居住性 −通勤ロスのない職住接近のライフスタイル− 都市のポテンシャルを生かした空間構造をもたせるため階高を十分確保し、床面積 あたりの空間容量を大きく設定する。オフィスや店舗などの利用も想定した、高い 資産価値とフレキシビリティをもたせる。 2)融合居住 −子供、高齢者を含む全世代融合、自然生態系共生− 住居を人生の舞台として一生の住みかとするためには森や水場をつくり鳥や虫たち と共生できる自然環境が必要である。緑の丘状に積層した屋上庭園や、地上レベル の大きな緑地は子供や高齢者にとっても必要な生活の必要条件である。 3)安心居住 −強固な構造設備、自然エネルギー利用− 集合住居を地震やエネルギー危機に耐えうる安全な構造とするため免震技術や防災 情報技術、自然発電技術などを導入する。また、危機管理に対応できるよう、共同 体の再生と地域コミュニティの復興が必要である。 4)自由居住 −質実なライフスタイルに対応する自由な間取り− 内部の改築が自由で、住居ユニットの拡張や縮小ができるよう柱と梁の立体格子構 造とし、4m以上に階高を設定して床下収納や天井裏スペースなどの増床を可能と する。 |
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